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信頼できる/信頼できない/有能/無能

どういう人間でいたいだろうか、ということを考えたときに、できれば「信頼される人」でありたいな、と思う。「信頼されない」よりは「される」ほうがいいだろう。これはたぶん、かなりの確率で。
 
では、「有能」か「無能」はどっちがいいかというと、まあこれも、「有能」なほうがいいかな、と思う。「無能」なほうがいい、という人はそんなにいないだろう。いや、もしかしたら目立ちたくない人なんかはそっちのほうがいいや、と思う人はいるかもしれないけれど、「有能」なほうがいいな、と思うほうが自然な気がする。本能的に、仕事で責任を負いたくない人とかは、「無能」でいたい、と思うのかもしれないが。
 
このパラメータを組み合わせて、その人がどういう性質をもつのかを考えてみる。「有能」「無能」はプライベートではあまり関係ないような気がするけれど、例えば「無能」な人は、プライベートでも遅刻とかしまくったりすることもあると思うので、一応ファクターに加えてみることにする。

パターン分けすると、以下の4つに分けられるだろう。

①信頼できる有能
②信頼できない有能
③信頼できる無能
④信頼できない無能

 
さあ、どれがいいだろうか。
 
①の「信頼できる有能」は一番いいように思える。とりあえず、これを目指す人が一番多いのではないだろうか。とりあえず「信頼できる」というのがポイントで、しかも有能だから、是非、お近づきになりたい、と思うのが自然だろう。
 
②の「信頼できない有能」は最悪だ。「有能」なのはいいのだが、「信頼できない」がすべてをぶち壊す。信頼できないので、つまり裏切る可能性があり、有能であるがゆえに被害が大きい。一番、マイナスな影響が強いパターンだ。
 
③の「信頼できる無能」はまあまあいい。とりあえず無能なので役には立たないが、なんせ信頼できる。万一裏切ったとしても、無能であることに違いはないので、被害が小さい。現況ではとりあえず信頼できるが、裏切ってもまだ安心という保険つきだ。長い付き合いになる可能性も大きい。役には立たないのが玉に傷だが。
 
④の「信頼できない無能」は相手にする必要がない。なんせ信頼ができないし。③の「信頼できる無能」が転落してこのパターンになることがある。

なんかこうして並べてみると、「有能さ」ってけっこう振れ幅が大きいというか、一番いい状態と最悪な状態のどっちか、というのが怖い。「信頼できる」「信頼できない」って、けっこうそのときどきの状況によって変わったりもするから、「一番いい」と「一番悪い」のあいだを行ったり来たりすることになる。これはかなりバランスが悪い。
 
だけど、とりあえず無能であれば、「信頼できる」でも「信頼できない」でも、振れ幅は比較的小さい気がする。
 
あれ? 無能もそんなに悪くないな?

いやいや、信頼できる有能を目指したいものですが。

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