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豪華客船に乗ってみたいですか?

ふと、世界で一番でかい客船ってどういうものだろう、と思った。離島にでも住んでいない限り日常的に船に乗ることはあまりないが、体験として「豪華客船」はどういうものかという関心があった。

でかい船といえば映画「タイタニック」を思い出すが、現代の大型客船の大きさはあの比ではないだろう。調べてみると、全長が300メートル以上もある、ばかでかい船が何隻かこの世界にあるようである。

飛行機等であればいろいろな制約を受けるので、でかい飛行機といってもそれほど大きいわけではない。しかし船は作ろうと思えばどこまでも大きくできるようで、こういうケタ外れの大きさの船も存在するようだ。

動画なども見てみたのだが、とにかくスケールが大きすぎて訳が分からない。ホテルとショッピングモールと遊園地が合体したみたいになっていて、おそらく船に乗っているという感覚は誰も持っていないのではないだろうか。

一体どれぐらいの金があれば乗れるのかなと思ったのだが、プランや時期にもよるが安いものだと20万、1週間ぐらいのプランだと100万円程度で乗れるようである。本気で乗ろうと思えば乗れるような金額ではある。

しかしまあ、なんというか、先立つものがないと手を出さないような金額である。それによって何を得るのか? の観点で、ただ単に「乗ってみたい」というだけでは、割に合わない。

もはや船というよりはひとつの「街」みたいになっているので、実際に乗っている人の動画を見てみたのだが、過ごし方も完全に観光旅行をしている人みたいになっている。

食事も、わざわざレストランに予約をとる必要があるらしい。アイスショーなどもあるが、それも予約をとっていく。いろんなイベントが常にあって楽しそうではあるが、本当にそれを見てみたいかというと、ちょっと疑問ではある。

お酒が好きで、深夜遅くまでバーで飲んで、そこで知らない外国人か何かと知り合って盛り上がる、みたいな感じだったら楽しいのかもしれないが、僕と奥さんは基本的には毎日10時に寝るので、そういう酒を飲むこともなく、夜更かしをして社交的な夜を過ごすわけでもなく、普通に寝るのだろう。そもそも、バーやクラブとは一切縁がない。

おそらく、朝5時半ぐらいに目覚め、甲板を散歩して、人気が少ないプールサイドで読書したりするのかもしれない。そういう光景が目に浮かぶようである。

自分が過ごしたい過ごし方を追求するとそのようになると思うのだが、そんなもののために100万円も払うというのは馬鹿らしい、ということになる。同じような体験がしたい場合、早起きしてお台場にでも行ったほうがコスパがいい。

少なくとも、いま自分が住んでいるマンションはまるごと入りそうなので、「いま、自分はばかでかい船に乗っている」と思いながら過ごしてみることで、なんと0円で豪華客船の気分が味わえる、ということに気づいた。

実際のところ、自宅が一番居心地がよく、一番コスパもいい。「非日常」を味わうためだけなら、もっとお金のかからない方法というのは探せばあるだろう。

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