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なんでもやる気スイッチにしてしまう

我が家に唯一ある観葉植物として、ユッカという植物がある。もともと観葉植物を置いたりする習慣はなかったのだが、結婚祝いに奥さんの同級生が贈ってくれたのだ。

もちろん観葉植物なので定期的に水をあげる必要があるのだが、水をあげる習慣がなかったため、ついあげ忘れてしまうことが多かった。そのせいで、どんどん葉が枯れていってしまったのだが、どうすることもできなかった。

何かを習慣にしようとするとき、何もないところから急に習慣化するのは困難を極める。というか、事実上、ほぼ無理といっていいかもしれない(原理上は無理なわけはないと思うのだが、同意する人も多いのではないだろうか)。

何か新しいことを習慣にしても、いつの間にかやらなくなってしまうものだ。しかし、この「観葉植物に水をやる習慣」は、あることをすることによって容易に解決した。

朝、僕はまず起きてコーヒーを淹れるのだが、ポットに水を入れるついでに、猫の水容器にも水を入れる。そのついでに、観葉植物にも水をやるようにしたのだ。

行為としては「ポットに水をいれる」というの習慣に紐づけただけなので、何も難しいことはない。この紐づけによって、水やりをやる確率は100%になり、やり漏れがなくなった。非常に些細なことではあるのだが、大きな変化である。

何かを「やる」のは、すごく手間だし、腰が重い。それは、これまでの人生でいやというほど経験している。なので、すでに習慣化しているものに「紐づける」ことで、それも習慣に取り込んでしまう、という考え方が大事になる。

「ついでにやる」がカギなのである。

思い返せば、家では一切勉強せず、昼休みの時間に問題集を解いたり、宿題を終えてから家に帰る同級生がいたが、総じて成績はよかったように思う。要は、「昼休み」「放課後」というスイッチがあり、それと同時に実行するように自らをプログラミングしている、ということだろう。

とりあえず家に帰って、一息ついて、遊び始めると、そこから宿題や勉強をしよう、という発想には絶対ならない。仮にやりはじめたとしても、「スイッチを入れる」こと自体にエネルギーを使うので、「やらなければ」と悶々とした長い時間を過ごすことになるだろう。

この手の「紐づけ」をいろんなところで日常に取り入れている。たとえば、僕はシャワーを面倒になって浴びない日がちょくちょくあったのだが、これも紐づけでなんとかした。寝る前にシャワーを浴びて、髪を乾かして、歯を磨いて寝る、というのを一連の流れにしたのだ。

デメリットは、髪が十分に乾ききっていない状態で寝ることの弊害だが、まあこれはいまのところなんとかなっている。メリットがデメリットを上回っている状態である。

最近思いついたのは筋トレである。筋トレはそんなに嫌いではないので、習慣化するのはそこまで大変ではないのだが、やはりそれでもなんとなく気が進まない日もあるし、やり忘れることもある。

そこで、紐づけられる生活のトリガーは何かと考えてみたのだが、「トイレ」と紐づけたらいいのでは、と思った。在宅勤務のときは、トイレから戻るたびにスクワットと腕立てをしているのだが、意外とこれは有効だなと思っている。

奥さんは、いったい何をはじめたのかと思っているが、突然僕が何かを思いついてやりはじめることについては、そろそろ慣れてきつつあるので、問題はない。

朝起きてからやることは一連の流れにしているので、やり漏れが非常に少ない。起きてすぐにコーヒーを淹れ、noteを更新し、家計簿をつけ、読書記録をつけ、日記をつけ、という順番で処理しているのだが、この順番でやっていく限り、やり漏れが発生しない。逆に、順番を変えるととたんにわからなくなるので要注意である。

「やる気スイッチ」という言葉も以前取り上げたことがあるが、やる気スイッチなんてものはない。あったとしても、やる気スイッチを探すのではなく、やる気スイッチでもなんでもないものを勝手にやる気スイッチにしてしまう、というのが結構有効である。

以上、習慣化に関するライフハックだ。

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