見出し画像

金を増やすのは簡単か?

興味のない人には一切興味のない話題だとは思うけれど、芸人(元というべきか?)の宮迫博之が、自身が出資する焼肉店の騒動で大変なことになっている。

僕もあまり興味がないので、それほど細かいところまでは知らないのだけれど、人気YouTuberのヒカルが共同経営者として焼肉店に出資し、その後撤退するという一連の騒動が話題だったので、なんとなくは知っている。

*概要としてはこの動画がわかりやすい……

とりあえずヒカルが宣伝担当、宮迫博之が店のオペレーションや料理担当ということで役割分担していたらしいのだが、オープン前のお披露目会で宮迫博之が出した肉のクオリティの低さや、オペレーションの構築の甘さにヒカルが苦言を呈し、そのまま撤退を宣言。

これまでそれなりに入れ込んでいたように見えただけに、ネットは「これは、後になってから鮮やかに復活するという筋書きの台本では?」などと騒がれていたものの、どうもガチだったらしく、いまだに撤退の方向は取り消していない、と。

どうも、宮迫博之の裏で暗躍するコンサルタントが複数いるらしく、その人々と組むのが嫌で手を引いた、とヒカルは動画で証言しているようだ。要するに、もっと早い段階で色々と決断していればよかったものの、プロジェクトがどうしようもないところまで進んでしまい、撤退するにも投資した金額がデカすぎ、前に進むにももうどうにも進まない、ということらしい。


 
まあ、他人の不幸は蜜の味というつもりはないけれど、結構「リアルなビジネスの世界」なんじゃないか、と思う。というか、この手の話はどこの世界にもあるものなので、なんら特別なものではない。

ただ、ここまでビジネスの裏側がブロードキャストされることはそうそうないので、そういう意味ではYouTubeというのは「新しい」メディアなのかな、と思う。こうやって、ビジネスの裏側を赤裸々にすること自体がビジネスになる(=広告収益になる)という点において、新しい時代を感じる。

あまりこういうビジネスに馴染みのない若い人などは、これまでになかったエンターテイメントとして新鮮で、それなりに楽しんでいるようである。
 
「人から雇われてお金を稼ぐ」のも簡単ではないけれど、「人を雇ってお金を稼ぐ」のも簡単ではないということを痛感させられる。

普通の人だったら、たとえば貯金が数百万円で、毎月の給料をコツコツ貯め、マイホームの頭金にしよう、みたいなことを考えながら生きている人が多い。しかし、芸人という仕事は寿命が短いので、特にビジネスのスキルがないまま、とりあえず現金として、たとえば1億円持っている状態、ということにいきなりなったりする。

1億円というのは微妙な数字で、たとえば10億円ぐらいあったら一生働かないで食っていくことができるだろうが、1億円だと無理だろう。なんとかしてそれを増やす必要がある。


 
世の中は金だ、というけれど、金を増やすのは簡単ではない。ビジネスの経験が浅い人がビジネスをやろうとすると、体よくカモられてしまう。

優秀なコンサルを入れればいいのでは、と思うが、コンサルだって商売でやっているわけなので、いい人ばかりとは限らないので、宮迫博之のようになってしまうことだってある。

じゃあ株式投資といったって素人にはなかなか難しいし、不動産を転がすのも、仮想通貨をやるのも、経験がないとなんともならない。最近は、そういった富裕層向け資産を増やすことを生業としているファンドマネージャーもいるらしいが、そういう人も、本当に信用できるかというとやっぱり怪しいわけで。
 
ただ単に金を持っている人より、手元にキャッシュはないが、いろんな経験を積んでおり、専門的な知見がある、という人のほうがかっこいいな、と自分は思う。いわば、百戦錬磨の傭兵だ。それは、実戦経験と修羅場を潜り抜けるしかない。

 
まあ、そういう人たちが宮迫博之のような人から搾り取っているのかもしれないが(笑)。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。