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失敗を振り返る

最近、「失敗したな」と感じる回数は減っている気がするが、それでも思い出してみるとそれなりの頻度で失敗をしている。ただ、もっと若いときよりも落ち込むことが少なくなったかもしれない。

余計なことをして失敗したこともあるし、やるべきことをやっていなくて失敗することもある。あるいは、単純な勘違いとか、はやとちりとか、認識違いとか、そういったものもある。そんなものをいちいち気にしているとキリがないので、基本的には寝たら忘れてしまう。

自分のことについてもそうだけれど、周囲の人たちだって他人の失敗をいちいち覚えていることは少なく、たいていはすぐに忘れてしまう。
 
過去を振り返って、「あのときこうしていればよかったのに」と考えるとき、注意すべきポイントがいくつかある。現在から過去を振り返る場合、過去といまとでは持っている情報が違う。

たとえば、夜道を歩いていて通り魔に襲われたのだとすれば、「そのとき、その道で襲われた」ことを知っているのは現在だけで、過去のタイミングでは襲われることはもちろん知らないのだから、それを踏まえて振り返ることが必要になる。

だが、そんな場合でも、「夜道は危険だからなるべく暗い場所を歩かない」などの、やや普遍的な対策はできる。


 
あと、「成功と失敗の再現性」についても考える必要がある。たとえば、広いグラウンドに落ちている特定のBB弾を探す状況を想定する。当然ながら、BB弾が見つからなかったとき、「あそこを探していれば見つかったのに」と考えるのはよくない。それは前述の例の通り、その情報は事前には持っていないからだ。
 
逆に、運良くBB弾が見つかったとき、探し方に特に工夫をしていないのであれば、ただ単に運が良かった可能性が高い。世間では、こういった「運がほとんどすべてを左右する状態」でも、失敗すればダメなやつだと判断されるし、成功すれば優秀とみなされるので、評価はそれほどあてにならない。「その方法に本当に再現性があったのか?」の検証は大事だと思う。もちろん、持っている情報を当時のものと揃えて検証することが必要だ。
 
過去を振り返らない、既に起きたことを気にしない、という姿勢ももちろん大事だとは思うけれど、実際には過去に起きた出来事をベースに学習していくほうが得だ。過去に起きた失敗を必要以上に気にする必要はないけれど、どうやったらそれを糧にできるのか? と考えると前進することができる。


 
人の性格にもよるのかもしれないけれど、実際に起きた失敗や成功の要因を、何かに書き出して検証してみると、気持ちもスッキリする。

有益なことが多いので、失敗ばかりしている人はそういうことをやってみるといいかもしれない。

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