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マネージャはエライのか?

割と一般的なビジネス用語だと思うのだけれど、転職してからよく、PMとかPMOという言葉を使うようになった。

まあ、これはただ単に略してるだけであって、内容としては「プロジェクトマネージャ」のことなのだけれど。今まで勤めていた組織があまりにも小規模だったので、それなりの規模のプロジェクト単位で動く、というのが実感としてよくわからなかったのだが、もちろん今までの仕事の中でも概念としては存在していて、たまたまそういうPMという言葉に当てはめるほどの規模がなかった、というだけのことだ。
 
なぜPMにあまり馴染みがなかったかというと、今まで僕は大体一人でプロジェクトを推進することが多かった、というのがある。

前職は零細企業だったので、何か新しいことをするとなると、まずは自分一人で動くことが求められた。もちろん、業務のボリュームが拡大していくにしたがって、僕の下に人がついたりということはあったりするのだけれど、主体的に動いているのは自分だけ。だから転職して、PMがいるプロジェクトで仕事をする、というのはちょっと新鮮な経験だった。


 
PMというのは部署長などの階級ではなく、マネージャであり、マネジメントしているのはプロジェクトそのもの、ということになる。

もちろん指揮系統としてはある程度は上位の存在ということにはなるのだけれど、実際に実務の細かいレベルのことを把握しているのは自分の方なので、PMの役回りとしてはむしろ他部署との細かい調整であったりとか、スケジューリングをサポートしてもらってるような感じだ。

もちろんいろんな動き方をするのはあるのだろうけれど、「マネージャ」というわりに、見た目としてはなかなか地味な存在とも言えるかもしれない。
 
仕事というのは基本的にはみんな自分の専門性を磨いていくというのが基本的なベクトルだと思うのだけれど、マネージャーは専門性をあまり持たないんだな、というのが自分の所感だ。専門性を持たないというと語弊があるかもしれないが、「プロジェクトをマネジメントするのが専門」とでも言おうか。

PMの仕事はプロジェクトを前進させていくことなので、専門の範囲に限定されないと言うか、目の前に立ちはだかる問題を解決すること全体が仕事になる。そういう総合力みたいなところを試されるのがちょっと違うのかな、と思った。

見た目は地味で、やっていることも地味だけれど、実際はPMがいないとそれなりの規模のプロジェクトは成立しない。求められる成果は具体的だが、それを実現させるためのプロセスが間接的なので、コントロールが難しいのだろう。

戦艦でいうと、ブリッジの役割みたいなものだろうか。実際に船を操舵したり、大砲を撃ったりすることはないが、状況を常に把握し、必要なリカバリーに動いている。


 
例えばスポーツで言うと、短距離走なんかは純粋に走る能力が求められるが、野球やサッカーみたいな競技になると、単に足が速いと言うだけでは良い選手とは言えない。

それと同じで、職位が上がっていけばいくほど求められる能力が抽象的になり、ただ技術や知識がどうのというのではなく、経験値なども重要な要素になってくるのかなと。
 
今は自分のPMという肩書きではないけれど、割といろんなことやっており、部分的にはPMのようなことをしているので、まぁ近いうちにそういう動き方をすることになるのだろうなとは思う。本当の実務をやっていくほうが面白くはあると思うのだけれど、そういう能力も身につけていければと思う。

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