見出し画像

人類雑魚すぎ問題……

先日、近所を歩いているときに、一羽のカラスが目に止まった。工事をしている区画があったのだが、そこに水溜まりがあり、その泥水を一生懸命飲んでいたのだった。

近辺には川もなく、水を得るためには泥水をすすらなければならないのだろう。そういえば、最近、近所のゴミ袋が食い荒らされているのをたびたび目撃していたのだが、もしかしてこいつの仕業か! と思った。

まあ、カラスの害というのはもちろんあるのだけれど、向こうだって野生生物であり、生きていくために必死である。泥水を懸命にすすり、ゴミ袋から生ゴミを漁って生きている……!

生きるための厳しさはもちろんだが、それを平然と消化できる内臓の強さもあいまって、すげーな、と感動してしまった。

人類であれば、泥水はもちろんのこと、綺麗に見える川の水でさえ、煮沸しないとお腹を壊す。もちろん、壊さないこともあるのだろうが、危険であることに変わりはない。肉なども、当然加熱処理をしないと死に至る場合もあるわけだし、人類って本当に軟弱だな、と思った次第である。

家で猫を飼っている。基本的に外に出さないため、一日じゅう家の中でゴロゴロしているわけだが、ときどき、普段のゴロゴロぶりからは考えられないほどの俊敏な動きを見せることがある。

たとえば、何かに気を取られているようなときに、不意に大きな音がしたりすると、驚いて、その場で垂直に30センチぐらい飛び上がることがある。本当に、瞬間的に飛び上がるので、バネのようである。すごい身体能力だな、と。

人間だったら、そんなに瞬間的に反応できないし、できたとしても、そんな速度で体を動かすことなんてできないだろう。少なくとも自分は無理である。

俊敏に動くどころか、筋トレしたらすぐに筋肉痛になるし、シンプルに歩いただけでも筋肉痛になる。それより弱いな、と思うのが、温度と湿度である。僕は在宅勤務が多く、基本的にエアコンの効いた部屋でのみしか生きていないので、暑さにも寒さにも弱い。

部屋には常に温度計があるのだが、25度前後で、かつ湿度も50%ぐらいじゃないと快適に過ごせない。つまり、エアコンがないと死ぬわけで、雑魚だな〜と自分でも思う。

また、ダイエットをやるうえで、食べ物のカロリーについて調べたりするのだが、コメやパンなどのいわゆる「穀物系」は非常にカロリーが高いことがわかる。

一方でサラダなどはカロリーが低いし、肉などもそれ単体だとそこまでカロリーが高いわけではない。これは裏を返せば、たとえば山などで置き去りにされたら、カロリーの高い食べものはなかなか入手することができない。

そもそもそれらを入手することすら困難なのに、量的にも十分ではない、しかも加熱処理しないとお腹を壊して死ぬ、ということになる。なので、人間は自らが作り出した社会でないと生きていけない、非常に軟弱な生物だということがわかる。

泥水をすすってゴミ袋を漁りながら生きているカラスのことは、いわゆる害獣になるわけだが、その姿勢は尊敬に値する。たぶん、ゴミを荒らすので、近所からは嫌われていると思うのだが、ひそかにエールを送っている。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。