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知恵の輪を買った

俗に言う「知恵の輪」を買った。

「はずる」という製品名で、鉄でできたお洒落なオブジェみたいな感じのやつだ。東急ハンズとかで目にすることが多くて、気になっていたので購入した。

そういう、デジタルじゃなくてアナログな遊びを増やそうと思っていて、買ってみることにした。価格は1500円とそれなりのものだったが、そのまま置物としても成立しそうなぐらいスタイリッシュなものだったので、しっかりした値段であることも、製品のクオリティを保証しているような気がして、自分にとってはポジティブに感じられた。
 
難易度の設定があって、6段階あるらしい。1500円も出して、あまりにも簡単に終わってしまうと面白くないだろうということで、とりあえず難易度3と、4のものを購入した。

そもそも難易度1がどの程度のものなのかもわからずに購入したのだが。
 
買ってみて、実際にやってみたのだが、これがめっぽう難しい。とりあえず15分ぐらい挑戦してみようと思ってやりはじめたのだが、結局、一時間経ってもまだできなかった。

時間がなくなったので、とりあえず時間をあけて、また挑戦してみると、偶然一回だけできた。しかし、どうやってやったのか全然見ていなかったので、再現することができなかった。これは悔しい。

結局、できたのもただの偶然だったことがわかったので、また挑戦している。しかしそれにしても、なかなか興味深い体験だ。 

こういう遊びって、現代だと本当に珍しいと思う。スマホゲームなどでも、パズル系のゲームで面白いものはあるものの、なかなかこれを積極的にやる人って珍しいのではないだろうか。

ひらめきを重視するというか、こうでもない、ああでもない、と試行錯誤する感じが。最近のゲームだと、偏見かもしれないけれど、反射神経を重視するというか、「素早く作業をこなしていく」というタイプのものが多いような気がする。

大量の作業をスピーディにこなすのは気持ちがいいので、そういう多幸感をあおるのが流行りのゲームなのかな、という感じがする。それに対して、こういうパズルを必死に取り組むのって、それと対極にあって、一時間やっても何も変化していない、という悔しさがあると思う。

それだからこそ、ひらめきをもって解ける方法がわかった瞬間の気持ちよさもひとしおというか。

これだけの少ない要素しかないパズルでも、これだけの試行錯誤ができる、というのは、かなり勇気づけられることでもある。現実世界は、このパズルよりもたくさんの要素が、もっとたくさん絡み合っている。

で、一見すると解けないように思える問題でも、試行錯誤することで解決法が見つかることもある。
 
一時間やってもどうしたらいいかわからない。でも、こういうものを通じて、「粘り強さ」が培われるのかな、と。

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