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宇宙、何もなさすぎてヤバい

東京に住んでいると、あまり空を見上げることがない。都会の空は狭いと言われたりもするが、確かにそんな感じである。

自宅近辺ならまだしも、街中で空を見上げていたら、周囲の人は何事かと訝しがるだろうし、そもそも車が接近しても気づけないなど、かなり危険である。なので、そもそも空を見上げる人が少ないのだろう。

夜になれば、自宅の近辺であれば多少は星が見える(あまりたくさんは見えないが)。一日の大半の時間を天井がある場所で過ごしているため、空は基本的に見えない。しかしあらためて考えてみると、空を見上げれば宇宙空間とつながってるんだ、と思うとすごいな、と。

夜空の星はものすごく遠くにあるのに、それが肉眼で見えるのはすごい、と思う。調べてみると、一番近くにある恒星でも4光年ぐらい離れており、近いと言われるが、実際のところとんでもなく遠い。なにしろ、光の速度で移動しても、着くのに4年もかかるのだ。

地球から見える一番遠い星は200億光年以上離れているらしい。あまりにも遠く、想像するのも難しい。

そもそもすごいなと思うのは、それだけ長い距離、そのあいだに「何もない」ということだろう。「何か」があれば、それに遮られて、そもそも「見る」ことができない。

宇宙の星々はたくさん瞬いていて、宇宙を満たしているようにも見えるが、実際のところは相当な伽藍堂で、お互いが届かないほど「何もない」のだ。

地球上に住んでいれば、そもそもそんなに遠くまで見渡すことができない。都会ならば、ほんの100メートル先も見渡せない、という風景が多いのではないだろうか。少なくとも宇宙においては、それだけモノが密集しているのは珍しい、ということになる。

宇宙人はいるのかどうか、という定番の質問があるが、仮にいたとしても会える可能性はほぼゼロだろう。なにしろ、光で通信を送っても、一往復するまでに何年もかかるのだから、コミュニケーションをとるのもままならない。ギリギリ、一方的に「見える」のが精一杯だと思う。

宇宙産業がいま注目されているけれど、宇宙に衛星をもっと飛ばして、「地球上を」管理する、というのが目的なのであって、宇宙そのものには何もないのでは、と思っている。

月に旅行に行く、火星に移住する、みたいな壮大なプロジェクトもあるが、実際に気軽に行けるようになっても、絶対に地球のほうが住み心地がいいので行きたくないな、と思う。

地球は言うなれば絶海の孤島だが、たぶんここから出ることはないだろう。地球みたいな星は宇宙のどこかにはあるかもしれないが、おそらく行けることはないし、見えることもないだろう。

生きているあいだに、宇宙空間をワープする方法みたいなのが発明されたりするのだろうか?


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