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そのうちchatGPTを使うことを前提として、社会が実装されるのでは?

最近、chatGPTまわりのニュースが騒がしい。CEOであるサム・アルトマン氏をめぐるニュースでにぎわっている。

取締役会のクーデターによって、サム・アルトマンが解任されたとのニュースが出て、マイクロソフトに移籍する、というニュースが出たかと思えば、770人いる従業員のうち700人が復帰を求める署名をし、結局復帰することになったらしい。

普通の日本企業だったら数か月はかかりそうな事件ではあるが、これがたったの一週間の出来事というのに恐れ入る。とはいえ、アメリカではCEOが突然解任されたりすることもさして珍しいことではなく、スティーブ・ジョブズもアップルを追われたりなどしていた。その意味では、「従業員の希望によって復帰する」というのは珍しいパターンではある。

とはいえ、今後も一悶着あるかもしれない。OpenAI社まわりのニュースには注目である。

しかし、何よりも驚きは、OpenAIが一般的にchatGPTを使えるようにしてから、まだたったの1年ちょっとしかたっていない、ということである。ニュースなどで相当話題になっているので、さすがに聞いたことがない、という人はかなり減っているとは思うのだが、実際にこれを使っている人の割合ってどれぐらいなんだろうな、ということも考える。

話題になっているので、とりあえずアカウントだけ作ってみた、という人が多いのではないだろうか。おそらく、2・3回使ってみて、まあ思ったよりたいしたことないな、みたいな感想で終わる人がほとんどではないだろうか。

僕はなるべく毎日これを使うようにしている(だんだんと用途がなくなっていく感じはあるが)。先日、「小説を書いて読む会」という会を主催しようと思い、noteで応募を呼びかけたのだが、その際の案内文はchatGPTに書いてもらった。

どういう内容にしたらいいのかを話し合って決め、それを案内文に起こしてもらったのである。なるほど、こういうアウトプットのイメージがあるといいのか、と思ったのを覚えている。自分でゼロから作るよりも確かにいい感じである。

つまるところ、既存のchatGPTでは、何かアウトプットするものが決まっていて、それに対して情報を与えてやると、何かしらのアウトプットを返してくる、という使い方が一番有効のようだ。

以前も考察したことがあるが、学校の課題などはchatGPTが最も得意とするところだろう。なので、学校の課題をchatGPTに解かせることが以前は問題になっていたのだ(いまも問題になっていると思うが)。

chatGPTの弱点は、最新の情報がインプットされていないので、身の回りのことや、最新のニュースなどの分析はできない。

……と思っていたのだが、最近すごいアップデートがきた。なんと、これまでchatGPTにデータベースとして与えられていたデータに加え、ネット検索ができるようになったのである。

たとえば、「今日のニュースを教えて」とオーダーすると、もともとデータベースに蓄えられていたデータではなく、ネットを検索して、今日のニュースを教えてくれる。これはなかなか画期的である。

ネットを検索できるだけなので、自分で検索してもいいのでは、とも思うのだが、自分でググってもいいけどchatGPTに調べてもらったほうが早いしな、という考え方もある。そして、実際に結構早いし、こちらが求めている内容をすぐに調べてくれる。これはかなり便利だ。

考えてみれば、例えばWordなどで特定の文字列を検索する際、目視で探すこともできるけれど、ctrl+Fで検索をかけたりもするだろう。それを使う感覚に近いような気がする。

こうなってくると、お店を探すことはおろか、予約まで全部やってくれそうだ。そのうち電話もかけられるようになったりして。

また、ウェブサイトも人間が読むためではなく、chatGPTが読むための専用ページが用意されたりとか。人間だと情報量が多いとあまり読んでもらえないけれど、chatGPTは大量の情報をすぐに読むことができるので、そちら向けに情報量の多いページが用意する、ということである。そうやって考えていくと、「chatGPTを前提として、社会の機能が実装されることもあるのでは」と思ったのである。

たとえば、説明書などは自分で読むより、chatGPTに読んでもらったほうがいい、という時代にすでになっているかもしれない。となれば、説明書もいまの人間用の10倍ぐらいの厚さになってもいい、ということだ。

たった一年でこの調子なので、今後どうなってしまうんだろう、という不安は確かにある。もしかしたら、歴史的な瞬間に立ち会っているのかもしれない。

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