まずは一本
仕事がちょっと忙しくなってきたこともあり、かなりバタバタしている。
終業後や、休日に対応しなければならないようなことはあまりないので、そのぶんそのときは休めてはいるのだが、平日の就業時間中はあらゆることが同時並行的に発生していくのでなかなかカオスである。
最近は、新人が増えたこともあり、送るメールに目を通したりもしており、とにかく頭がついていかない。常に10~20のタスクが同時進行している感じだ。
そんな感じなので、タスクの重要度にはかなり差をつけている。重要案件に集中的に取り掛かるため、しょうもない仕事はさっさと片付けてしまう。
そんな中、仕事をしていたら、社長から一通のメールがきた。僕が書いた議事録の文章がひどく、意味不明だからなんとかしろ、と。
オフィスワーカーとして、これはないでしょう、読み返せ、と指示されていた。
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文章がひどい……。会社や周囲の社員の大多数には隠しているものの、一応、自分のことは物書きだと思っており、文章がひどいと言われるとちょっと傷つく。
そう思いながら、自分の書いた議事録を開いてみると、確かにひどかった……。
会議をしながら、パソコンでメモ書きをしているのだが、一部はメモ書きをそのまま貼り付けたようになっており、確かに日本語にもなっておらず、これはひどいな、と。
まあ、これならひどいと言われても仕方がないか、とちょっと納得してしまった。それと同時に、こんなのを提出してしまったのが恥ずかしくも感じた。
どんな状況でも、「仕事が忙しい」という言い訳は封印することにしている。忙しいのは確かだし、あらゆるタスクで頭がまわらなくなっていることも確かだ。
でも、「議事録ぐらい、この程度でいいか……」と大して推敲もせずに提出するのは確かに自分の落ち度だったな、と。
リズムが狂うと、いろいろなところで綻びがでる。その兆候に気づくことも大切なことだ。
製造業でいうところの「ヒヤリハット」というやつである。仕事をしていて、ヒヤリとしたこと、ハッとしたことは、危険が起きる兆候であり、ひとつひとつは些細なことでも、放置しておくと大事故につながる。
僕はオフィスワーカーではあるが、こういうところに綻びを発見したので、これも一種の「ヒヤリハット」だろう。
こういった積み重ねで、とんでもないミスにもつながりかねない。気を引き締めてやっていきたい。
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「スラムダンク」を描いた井上雄彦の作品で「リアル」という車椅子バスケマンガがあるのだけれど、自分が前の会社で新入社員だった頃に、よく読んでいた。
いまは実家にあるのだけれど、新人のときに、あのマンガにはけっこう助けられた。
主人公の野宮というキャラが、バスケの試合中に、こちらが劣勢のときに「よーし、まずは一本」と言って、チームを鼓舞するシーンがある。
どんなに大変な状況であっても、まずは一本、シュートを決めるところから。
シュートを一本ずつ決める以外に、前に進む方法はないので。
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