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「ダメ上司」の共通点とは?

社会人になって10年以上が経つ。様々な人の部下として働いてきたが、自分的に「こりゃダメだな」と思える上司の共通点を発見した。

若干意外かもしれないが、「食べ物で釣る上司」である。

仕事での悩みで最も深いのは人間関係だそうだ。人が仕事を辞める理由の堂々のトップに常に君臨している。

しかも多くの場合、「社内の人間関係」を指すことが多い。営業等であれば、社外の顧客等とコミュニケーションを取るわけだが、社外のコミュニケーションはあんがいシンプルだ。お互いの利害が一致すれば丁寧に付き合うし、利害が一致しなければ契約を打ち切る、という非常にわかりやすい構造になっている。

それに対して社内の人間関係は固定化しているし、同じ社内の人間だという甘えもあるし、何らかの業務で協力しているような関係だと、「いかにして相手に動いてもらえるか」みたいなのがとても重要になる。

つまり社内の人間関係が悪化すると、自分の仕事を社内の他の人がやってくれないことがあるので、顔色を伺う必要があるわけだ。これがストレスなのだろう。

突き詰めていえば、社外と折衝する営業のモチベーションは、業績を上げて社内から評価されることである。数字がとれないと社内の立場が低くなり、昇進や昇給につながらない。

社内というのは味方ばかりとも言えるが、敵ばかりとも言える。

よく「上司にごまをする部下」というのが典型的に連想されることがあるが、部下の立場としては、上司の顔色を伺う必要はない。上司の仕事は部下を働かせることなので、きちんと仕事をこなしていれば自然と上司から気に入られるようになる。

問題は同僚、そして部下との接し方だ。会社は上位下達が基本なので、上司が業務命令を出し、部下がそれを遂行するという形式で成り立っている。しかし上司であれば誰でも部下は言うことを聞くというわけではなく、なかには全然言うことを聞かない人もいる。

簡単に言うと、上司として知識や能力が不足していたり、尊敬されていないと部下がいうことを聞かないということが起きる。ポケモンみたいなものである。

言うことを聞かない部下がいたらどうするか。正攻法では、部下が納得する形でちゃんと説明をして、動いてもらうという解決法が考えられる。

問題はちゃんと部下に納得できる説明ができなかったり、それでも動いてもらえなかったりする場合だ。恫喝などで動かす手もあるが、昨今はパワハラだと訴えられるので少しは減っただろう。

そうなると、最終的には食べ物で釣るしかない。直接的に飲みに誘う、とかじゃなくても、何かの帰りにケーキを買ってくるなどの行為で自分への尊敬を取り戻そうとする、というのはよくあることだ。

だけど、このやり方はどうも嫌だなぁと思ってしまうし、そういった上司は上司としての能力に欠けていることが多いので、結構要注意である。もっとも上司としても困り果ててどうしようもないから、そういう策をとっている、というのはあるとは思うのだが……。

社内の人間関係を良好にしないと仕事が進まないので、社内の人間関係は常に悩みの種である。だけど、えてして大きな仕事をする人は自分がどう見られているか、ということをあまり気にしていないような気がしている。

DeNA代表の南場智子氏の言葉で「ことに向かう」というものがある。仕事哲学として、自身の評価だったり、周囲からのノイズだったり、そういったものを気にするのではなく、純粋に仕事に向き合え、というのがある。

純粋に仕事に向き合って行動していくことが大切で、周囲の顔色を伺うことが仕事ではないと言うのだ。確かにそうかも。

相手に不快な思いをさせてしまうんじゃないかとか、関係性があまり良くないなと感じても、必要があるなら真剣に相手とぶつかって、巻き込んで仕事をすることが大事なんだと思う。最初からうまくはいかないとは思うが、真剣にやればだんだん人がついてくる(こともある)。まあ、綺麗事に聞こえるかもしれないが、そういうものである。

極端な例だとスティーブ・ジョブズはあまりにも自己中心的に仕事をしすぎたせいで、自分で創業したAppleを追われてしまったことがある。もっとも、その後Appleが苦境に立たされた際、またCEOとして戻ってくることになるのだが。

前任のジョン・スカリーという人物は企業経営のプロとして知られていたが、どちらかというと「社内調整型」の人間だったのだろう。社内調整型の人間は、会社そのものが苦境に立たされているときにはあまり役に立たない。

ベンチャー起業家は往々にして刺激的すぎて、周りがついてこれないことがある。しかし、誰よりも真剣に仕事をしている人たちだといえる。その姿勢が必ずしも良いとは言わないけれど、基本的なマインドとしてはそうありたいものである。

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