ゲームのルールを理解する

気長に転職活動を進めている。

気長に、というのは、「いい出会いがあるまで焦らない」という意味であって、手を抜いている、という意味ではない。もっとも、周囲にいま転職活動をしている人がいないので、一般的にどのぐらいのペースで進めるものなのかはわからない。

最近は、ちょっと活動が終盤に入った気がしているので活動量を落としているが、一時は一日5時間以上は転職活動に使っていたと思う。
 
新卒の就職活動をしたのは2009年ごろのことで、リーマンショック後の不景気の時代だったから、「就職氷河期」などと言われて自分も周囲もけっこう苦戦していた。でも、自分はトントン拍子で選考が進み、あっさり内定がとれたので、あまり深く考えることなく、最初に内定をくれた会社に入社することにした。

自分としては、面接もわりとスムーズにいったので、合っていたのだと思う。そうやって、ちょっと「乗っている」感じ、というのは相手にも伝わるのだろう。そんなに苦労することなく決めた最初の就職だった。
 
ただ、不思議だったのは、「100社ぐらい受けた」と言っている同級生がいたことだ(ちなみに、大学では友人が二人しかいなかったので、学校で出会う人はほぼすべて「同級生」である)。

100社を受けたというのもすごいが、落とした会社が100社もあった、ということもすごい。就職氷河期を象徴するエピソードのような気がするが、履歴書を書いたり面接を受けたりすることはもちろん、面接の日程を調整したりすることもたいへんな重労働だったに違いない。

それだけやっても、もちろん内定をくれた会社が希望の会社だったかどうかはわからない。なかなか壮絶な話ではあると思う。


 
就職や転職活動を進める上で注意すべきポイントはいくつかあると思うが、重要なのは「ゲームのルールを理解する」ことだと思う。

就職活動はポイントをたくさん稼ぐゲームではなく、「希望の会社の内定が1社出たら、そこでゲームは終了」となる。もちろん、一番希望している会社に就職できる保証はないから、戦略的に複数社の内定が欲しい、というのは自然な流れだろう。

しかし、少なくとも「内定をたくさんとるゲーム」ではないので、「無駄な面接」をたくさん受ける暇があるなら、「入社したいと思えるような会社の絶対数」を増やすほうが適切な選択である、ということがわかるだろう。つまり、求人を一社でも多くチェックすることが重要だ、というわけだ。
 
転職活動を一生懸命やっているときは、一日のほとんどを「求人をチェックする」ことに費やしていた(まだ終わってはいないが)。Googleのspreadsheetに会社名とURLを貼り付け、条件などをスクリーニングする。その後、会社のホームページを見たり、決算広告を見たりして、健全な会社か、どういう事業をやっているのかなどを把握する。その上で、職種をチェックするようにしていた。

そうやって炙り出される「面接を受けたい会社」というのは、求人全体の3%ほどだった。倍率が高いのか、書類選考すらなかなか通ることがないのだが、このやり方を継続していけば、いつかは「入ってみたい」と思える会社と出会えるような気がしている。


 
どうすればゴールなのかをしっかり考えて、どうアプローチするかを考える。仕事をする上でも、仕事を探す上でも、大事なことなのかなと思う。

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