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気圧に弱かったらしい

最近、入社してきた新人は、気圧の変化に弱いらしい。

「気圧の変化に弱い」など、なんて軟弱な、と即座に思った。

しかし、僕も以前から、雨が降ったりするとなんとなく気分が悪かったり、集中力が続かないような気がしていたので、冗談めかして「いま調子悪いのは気圧が低いから~」などと社内で発現して周囲の笑いをとっていた。もちろん、冗談として言っていたのである。
 
その新人は、気圧が下がりはじめると頭痛がするというので、常備薬を服用しているらしい。ほう。

そして、なぜ気圧が下がると頭痛がするのか、説明してくれた。さまざまな複合的な要因があるようなのだが、一番は、血管が拡張して神経を圧迫するので頭痛がする、というものらしい。

なるほど。

そして、現在の気温の変化を知る手段として、「頭痛~る」という気圧をグラフ化してくれるアプリを紹介してくれた。
 
なるほど、これが気圧のグラフなのか、と思った。とりあえず何も知識がないので純粋に好奇心ベースでチェックしてみたのだが、ひとは気圧が「下がる」ときに不調を感じるらしい。

下がったら下がったで、安定してしまえば気になることはないのだとか。へえ。

だから、気圧が急にさがるところでは「注意」「やや注意」などの表示が、バクダンのアイコンとともに表示されていた。

ためしにそのグラフを毎日見て過ごしてみると、自分の不調とその表示が一致していることがわかった。

一日中、下降し続けている日は顕著に調子が悪い。正直、こんなに自分が気圧の変化に弱い、ということを知らなかった。

可視化されて、はじめて理解したといえる。今まで冗談めかして言っていたのだが、全然冗談でもなんでもなかったのだった……。
 
そういえば、今まで海外出張で飛行機を利用していたが、フライト中やその直後は、確かにかなり調子が悪かったような気がする。機内で気圧調整しているとはいえ、やはり空の上では相当に気圧が弱いのだろう。

地上では普通の状態のポテトチップスの袋などが、上空ではパンパンになっているのを目にしたことがある。地上では適切な気圧がかかって普通の状態だったのに、上空では気圧が弱いために膨らんでしまうのだ。

それだけの力が全身にかかっているかと思うと、確かにすごい力のような気がしてくる。

なんとも軟弱になったものだ、と思う一方で、不調の原因が明らかになったのはちょっとありがたい。

気圧の変化のときに服用する薬も、紹介してもらったのだが、自分はあまり常備薬は使いたくないので、これは少し考えものだけれど。
 
気圧なんてのは完全に目に見えないものだけれど、自分に影響を及ぼしているものもある、と。

気圧、気にしたことありますか?

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