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また営業の仕事をします

四月にまた部署異動があり、営業系の仕事に戻った。今までも営業要素はちょっとあったのだが、どちらかというと企画よりの仕事だった。それがまた営業に舞い戻った感じ。

といっても営業会社というわけではないので、一般的に想像される営業とはまた少し違うかもしれない。しかし、顧客との接点はこれまでよりはるかに増えた。

なんか一年おきに違う仕事をしている気がするが、基本的には行ったりきたりしているだけなので、それほど大きな変化は感じない。とりあえず一年ぶりということで、新人の方と一緒に研修などを受けてみたのだが、だんだん思い出してきた。

社会人になって十数年だが、最近になってやっと自分の特性がわかってきた気がする。わりと営業の仕事は得意なのだ。

営業と聞くと、どういうイメージがあるだろうか。これまでの仕事でもさんざんやってきたものの、実は、それほどポジティブなイメージはなかった。体育会系の、ツーブロックにしてスーツを着た筋肉質な男性がゴリゴリのトークでねじこんでくる、というイメージがあったのだ(僕は心の中でそういう人たちのことをツーブロックゴリラと呼んでいる)。

だが、そういう人たちはいわゆる不動産営業とか、保険営業とかそういう業種の人たちなので、すべてがそういう人というわけではない。実際、普通に仕事をしていて遭遇することは少ない。

どういう会社でも営業部門はあるものなので、当然会社の数だけ違うタイプの営業がいる、とも言える。一般的に、BtoBの営業の人は、そんなにゴリゴリしたタイプではないことが多い。

自分は人と話すのがわりと得意なほうだし、結構好きだ、ということに最近気がついた。人と話すことは本を読むことに似ている。同じ人でつるんでいても似たような話しか出てこないが、いろんな人と会う営業職はいろんな本を読んでいるようなものだ。そういう点でも自分に合っている気がする。

少し前に「究極の営業とは何か?」というのを考えたことがある。そのときの結論では、究極の営業とは、「営業しなくても仕事がとれる営業」だという結論に至った。一見するとなんだそりゃ? という感じだろう。

それはこういう仕組みだ。一生懸命営業をしても、たいていの顧客はすでになんらかの商品やサービスを利用しており、ニーズが合致することなどほとんどない。だから、いきなり営業しても売れない。

しかし、小さい信用を積み重ねていくと、「これから新しいことがはじまる」というときに、声をかけてもらえる。つまり、営業というのは時間軸が大事なのである。

いきなり営業をかけても、顧客が必要としているニーズは限定されているので、たいていは意味がない。顧客が本当に欲しいニーズがあるとき、こちら側に信用がないと頼んでもらえない。なので、本当に必要な営業というのは、「顧客が欲しがる前に接触する」ことが必要になる。「営業をかけていないときに仕事はやってくる」のだ。

そして、「顧客が必要とする瞬間に、信用を溜めておく」ことが必要だ。そういった条件が揃わないと仕事なんてもらえない。

そうやって考えていくと、結構深い仕事だよなと思う。少なくとも、自社サービスを押し売りすることだけを考える営業は、一流になれないに違いない。ゴリゴリに押し込むような仕事をするのではなく、さまざまな視点からいろいろ考えて、よい提案をしたい、と思っている。

営業について、あなたはどう思いますか?

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