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「成功」は科学できるのか?
「成功」を科学することはできるのだろうか。もしも、確実に「成功」できる方法が存在するとしたら、それを研究する価値はあるだろうか。
一口に「成功」といっても、その定義はさまざまなので、「成功したかしていないか」を問うことに意味はない。わかりやすい解釈として、「思い通りの目標を達成する」ことを「成功」の定義にできるだろうか。
自分自身のことを振り返ると、目標を定めて、それに向けて努力した結果、目標が達成できた、という経験があまりない。まず、目標を設定して、それが達成されるまで努力するということがなかなかできない。達成したい目標じゃなく、「これを何日間継続してやる」みたいな、行動すれば必ず達成できる目標ですら、キッチリ履行できることは少ない。
もちろん、「行動は達成できたが、目標は達成できなかった」みたいなことも少なからずあるので、行動目標と成果目標のあいだに相関関係がなかった、ということもある。
例えば、長編小説を一本書き上げるのはものすごい労力が必要なので、それを達成するのはかなり大変だ。しかし、小説を書き上げることはできても、それが賞をとるかどうかはわからない。
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どちらかというと、なんとなく適当にやっていたことが、長い時間をかけて蓄積され、少しずつ成果に結びついていった、ということのほうが多い。あまりゴールを意識せず、日々積み上げているような活動だ。
いま書いている文章だってその類のものだ。費用対効果というか、これで金を稼ごうなどと考えたら非効率極まりないが、続けていると、何かしらの変化はそのうち訪れる。
もっとも、それははじめから目標を立てているわけではないから、冒頭の「成功」の定義には当てはまらないかもしれないが。
漫画「ドラゴン桜」は、目的から逆算して成功を収めるタイプの漫画だろう。
底辺高校の生徒を、「東大に合格させる」という目標のもとに特訓し、実際に東大に入学させるストーリーだ。あの作品の面白いところは、「東大に入れるだけの学力を身に付けさせる」のではなく、「東大に合格させる」ために、東大に焦点を絞った対策を立て、計画を進めていくところにある。
具体的には、まず東大の入試問題の特性を理解するところからはじまり、そこで効率よく点がとれるように進めていく。それもひとつのアプローチの仕方ではあるだろう。
ドラゴン桜はちょっと特殊な例かもしれない。東京大学はもちろん過去に何度も入学試験を実施しているから、傾向と対策を練るための情報ソースが豊富だ。むしろ問われるのは基礎的な学力だけではなく、「どれだけその試験の対策をしてきたか」かもしれない。
しかし、その他の現実世界の多くは、何が成功に結びつくのかなんてわからない。だから、とりあえず数を打つしかない。
企業のヒット商品もそうだし、天才もそうだろう。教育によって天才は作れない。なぜか、どこかのタイミングで突然出てくるものだと思う。将棋の藤井聡太のように。
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何かに取り組んだとき、「何が成功に結びつくのかはわからない」の前提のもとに、「当たったものを伸ばす」という姿勢が大事なのかな、と思う。仕事の場合はそんなことも言っていられないので、とりあえず目標を決めて動き出すのだけれど。
「動き続けていれば、事態は必ずいい方向に進む」というのはその通りかもしれない。成功の法則なんて、明文化しても、世界が複雑すぎるので、そのぐらいしかないのかもしれない。
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