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男性作家が少ない理由は?

作家の方に、自分のnoteの記事を取り上げていただいた。

元記事は、最近、女性小説家の台頭が目覚ましいような気がしており、本屋大賞の受賞者を調べてみたところ、女性のほうが比率が高かった、ということを書いたものである。

引用していただいた記事では、それに加えて「小説の読者」も男性は少なくなり、女性比率が増えてきている、ということが書かれていた。これはあまり考えたことがなく、ちょっとした盲点だった。
 
確かに、小説を読む人が減っているとはよく聞くが、読んでいるとしたら女性が多いような気がする。電車を見渡すと、男性の大半はスマホゲームか動画鑑賞に興じているが、たまに小説の文庫本を読んでいる女性を目にする。
 
僕自身は年間に120冊ほど本を読むが、おそらく小説は2~3割程度だろう。小説は意識してたくさん読もうと思っているのだが、意識してもこの程度である。年間で100冊以上読む人で、それがすべて小説だ、という男性はほぼいないのではないだろうか。


 
小説というメディアは、そもそも女性にとって有利な土俵なのではないか、という気もしてくる。なぜなら、人間観察能力という観点では、男性と女性では比較にならないぐらいのレベルの差があるからだ。

よく「女性の喧嘩は怖い」というが、何が怖いのかというと、やっている仕打ちがエグいとかではなく、シンプルに「何が行われているのかわからない」のが怖いのではないかと思う。にこやかに談笑していて仲が良さそうだな、と思っていたら、実は腹の底で殴り合い・マウント合戦を繰り広げていた……となると、男性としては、恐怖を感じざるを得ない。レベルが高いので、攻防が認知できないのである。

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(何が起きているのかわからないのは怖いものです)

浮気にしても、浮気を察知して動くのは女性のほうが多く、男性は相手が家を出て行ってはじめて気づく、というケースが多い印象もある。なんなら、出て行ってからも原因がわからない、というケースもあるだろう。
 
最近の小説は人間を描くものが主体になりがちだが、やはり男性としては「人間を細かく描かなくてもいいもの」が得意なのだろう。

パッと思いつくのは「ミステリ」と「SF」である。どちらも、もちろん人間が主体ではあるものの、仕掛けが凝っていれば面白い作品になる。しかし、これは漫画やアニメ、ゲームなどで表現したほうが迫力の出るジャンルでもあるので、わざわざ映像や音のついていない小説で読もう、という人が減っているのかもしれない。

確かに自分も、いわゆる「本格ミステリ」や「ハードSF」などを、分厚いハードカバーで何週間もかけて読みたいか……、と言われると、ちょっとしんどいな、と思ってしまう。


 
しかし、だからといって男性作家が存在していくことができないかというと、そんなこともないとは思う。ビジネスの基本は「差別化」なのだから、男性作家が少ないということは、逆にいうとチャンスとも言えるのではないか。「小説を読みたい」という男性も必ず一定数存在するはずだ。

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