試合をひっくり返した指導、公平感、その顛末 - 999文字
3点目!
そして、試合終了!
負けた!
ずるい!
小学6年生。
3学期。
いわゆるお楽しみ会。
45分ハーフでサッカーをやろう!
授業は45分だったので、
休み時間を挟むとちょうどいい。
職員室で色々あったらしいが、
案は採用され、試合が始まった。
前半を終わって2ー0。
私は1ゴール1アシスト。
この上ない展開であった。
とはいえ、ほんのちょっと違えば、
たぶん2ー2になっていただろう。
相手のFWが、決定的な場面で空振り。
しかもそれを2回。
小学生だ。
みんな容赦なく笑い、責めた。
ハーフタイム、10分。
先生が動く。
公平な立場であるはずの、
というのがポイントなのだが、置く。
意気消沈し、
みんなに責められているそのFW。
彼を呼び出して、
なにやらレクチャーを始めた。
そしてシュート練習が始まった。
終わってみれば彼の3得点。
マンガみたいな逆転劇であった。
猛烈に功を奏したその練習は、
これ以上にないくらい簡単なものだった。
ボールを良く見て蹴ろう。
これだけ。
そして、それは、
これ以上にないくらい的確な指導だった。
しかし、だ。
フェアではない!
という声があがった。
先生は中立ではないのか。
どちらにも属さず、
今回は審判に徹するからね、と。
その宣言は嘘だったのか。
明らかに片方のチームに肩入れをしている。
負けたことももちろん悔しかった。
小学校卒業の記念試合でもある。
しかしそれ以上に、
この不公平感が気に入らなかった。
負けチームがざわつく。
ぎゃーぎゃーいう小学生。
なだめつつも、しまいには怒り出す先生。
お楽しみ会は説教で幕を閉じた。
色々と諭されたに違いない。
まるで記憶にないのは、まぁ、よくあることだ。
とはいえ、後味の悪さだけは覚えている。
3日もすればどこかへ消えてしまったが。
いま、改めて考えるに。
先生の意図はわからないが。
あのまま試合が進んだとして。
彼が試合中に突如として覚醒して‥‥、
という展開はさすがにマンガだろう。
根っこには地味な練習が必要なのだ。
恐らく、試合は3点くらいの差で終わり、
彼はトラウマを抱えることになっただろう。
それこそ3日では忘れられないような。
現実は、彼はMVPとなり、
それなりの自信を得たに違いない。
先生の意図したものではないだろう。
結果オーライというやつだろう。
なんであれ、先生としては、
何もせずにはいられなかったのだろう。
それが指導者ってものだろうから。
まぁ、しかし、あれだ。
彼ってば、ボール見てないんだもんなー。
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