話題ですよね。ミーハーなので読んでみました。
言わずと知れた名著『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』の著者で、ヤフーCSOの安宅和人さんの新著です。数年前、社会人になった頃くらいに「イシューからはじめよ」を読んで衝撃を受けたので、今作もと思い手に取りました。
「イシューからはじめよ」が課題解決と生産性の本質について書かれた実践的な本だった一方で、「シン・ニホン」はもっとマクロな観点から日本の現状を分析して未来に向けた提言をする、スケールが大きく重量感のある本でした。日本の批判で終わらずにポジティブな提言が続くので、なんか希望が持てる、そんな本でした。
どうやら、安宅さんが今までTEDやいろんな講演会で話をしてきた内容をまとめて整理したのが本書らしいので、TEDの動画やPDF資料を見ると本書の内容の大枠がわかるかも。
にしても、こんな膨大な量のファクトを収集して、わかりやすいデータとして可視化して、解くべき課題を特定して、建設的な議論をした上で具体的な提言をする、なんてのができるなんて本当に凄すぎる。まさに「イシューからはじめよ」で書かれてたイシューからはじめる課題解決の過程が記されてる本でもあります。
本書から抜粋・コメントしておきます。
実際、自分の母親と話したりすると「ポケットに電話を入れて持ち歩くなんて映画の世界だと思ってたのに、今なんてパソコン持ち歩けるもんね〜」なんて言ってたりする。
わかりやすい。
これ衝撃。スマホと同じ現象。このスライド14,15参照。
かなりマズイ状態。
資産の比率が現預金に寄りすぎている問題、金融庁が掲げている「貯蓄から投資へ」がなかなか進んでいない実態はもっと知られていくべき&早急な打開策が必要なので頑張りたい。
日本人働きすぎ問題。
わかりやすい。
市場の変化に強い組織がいちばん強い。
じゃあ日本は何を武器に頑張るべきか、という問いへのひとつのポジティブな答え。
この考え方いい。
ほんまこれ。マジでやめよう、そろそろ。。。
R&D・教育関連予算が削られる一方で社会福祉・社会保障予算が増え続けている状態に対する批判。シニア層のケアは辞めよう、という極論ではなくて、あくまで資金的なリソースの再配分が必要と。このあと、具体的なリソースの再配分案が書かれていく。
御意。
内容が多岐にわたる本だったので抜粋箇所がだいぶバラバラになってしまいましたが、一読の価値ある本でした。中身ではグラフや図を交えて説明されているので、もっとわかりやすいと思います。そして「シン・ニホン」のネーミングの由来はやっぱり「シン・ゴジラ」らしいです。
「イシューからはじめよ」も再読した方が良い気がしてきた...。