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決算書の読み方

はじめに
簿記・会計の知識や決算書の読み方についてある程度学ばれた方がほぼ間違いなく直面する壁があります。それが、理論と実戦の間に立ちはだかる高い壁です。

著者の吉田さんは、仕事での財務分析やブログの執筆等を通じて決算書を何度も何度も読み込んでいくうちに、次第に決算書から様々な情報を見つけ出すことができるようになりました。そして、「実践なくして、決算書が読めるようにはならない」ということです。

そこで本書では、読者の皆様に、自分で様々な会社の決算書を読み解くチカラを身につけていただくということをゴールとして設定しています。

第1章 決算書を読みこなすために最低限必要な基礎知識

簿記では習わないけど、知っておくべきこと

早速、決算書を読んでいきたいところですが、まずは最低限の基礎知識について書いていきます。

1-1 決算書を読むにあたって、まず知っておくべきこと

ポイント
☑️BSを読むにあたってのポイントとは?
☑️財務三表はどのように繋がっているのか?
☑️よく目にする「連結」とはどのような概念なのか?

🍀決算書の種類

決算書とは、一般的に以下の書類の総称を指します。

①貸借対照表(Balance Sheet、BS)
②損益計算書(Profit and Loss Statement、PL)
③キャッシュ・フロー計算書(Cashflow Statement、CS)
④株主資本等変動計算書(Statement of Shareholder's equity→SS)

これらの書類は、一般的には「決算書」と呼ばれますが、法律上の名称は「財務諸表」や「計算書類」となります。ここでは、単純に「決算書=財務諸表」と思っていただいて大丈夫です。

なお、上記の①〜③は特に重要度が高く、「財務三表」とも呼ばれます。

🍀BSを読むにあたってのポイント

決算書をしっかり読もうと思ったら、実はPLで売上高と利益だけチェックするのではなく、BSやCSも組み合わせていく必要があります。

とはいえ、「PLってある程度単純でわかりやすいけど、BSやCSはどこをどう見ればいいのかよくわからない」という気持ちもあります。

そこで、ここでは簡単にBSを読むにあたってのポイントと、CSを読むにあたってのポイントをざっと整理しておきます。

まずはBSから。

①どのようにキャッシュを調達しているか
②調達したキャッシュを何に投じているか
③どのようなビジネス上の特徴を持っているか

①どのようにキャッシュを調達しているか

まず、BSの貸方を見てわかるのが、その会社がどのようにキャッシュを調達しているかということです。

具体的には、負債の部における「有利子負債(借入金や社債等)」と、純資産の部における「資本金、資本剰余金」を見ることでわかります。

例えば、下図は東レの21/3の連結BS(貸方)ですが、21/3月末における有利子負債での調達額が972,422百万円(①合計)、株式での調達額は265,633百万円(②合計)となっていることがわかります。


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