【武器になる哲学】13 フローー人が能力を最大限に発揮し、充足感を覚えるのはどんな時か?
人が、その持てる力を最大限に発揮して、充足感を覚える時というのは、どのような状況なのでしょうか?これが、チクセントミハイが研究において追求した「問い」でした。
チクセントミハイは、この問いに答えるために、仕事を愛し、活躍している人に、ひたすらインタビューしていったんですね。
このインタビューにおいて、チクセントミハイは、分野の異なる高度な専門家たちが、最高潮に仕事に「ノッテいる」ときに、その状態を表現する手段として、しばしば「フロー」という言葉を用いる、ということに気づきました。
チクセントミハイは、フローの状態、いわゆる「ゾーン」に入ると、次のような状況が発生することを報告しています。
過程の全ての段階に明確な目標がある
行動に対する即座のフィードバックがある
挑戦と能力が釣り合っている
行為と意識が融合する
気を散らすものが意識から締め出される
失敗の不安がない
自意識が消失する
時間感覚が歪む
活動が自己目的的になる
チクセントミハイは、特に「3. 挑戦と能力が釣り合っている」という点について、次のようなチャートを残して詳細に説明しています。
高いスキルを持った人が、なんとかやれるレベルの課題に挑戦し、その上で、外乱が入らず、集中が持続できるなど、いくつかの条件が揃ったときに、初めて人はフロー状態に入ることができる、ということです。
チクセントミハイの指摘で面白いと思うのは、上記のチャートがダイナミックなもので、時間の経過に伴って「挑戦レベル」と「スキルレベル」の関係はどんどん変わっていく、という点です。
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