【武器になる哲学】13 フローー人が能力を最大限に発揮し、充足感を覚えるのはどんな時か?

人が、その持てる力を最大限に発揮して、充足感を覚える時というのは、どのような状況なのでしょうか?これが、チクセントミハイが研究において追求した「問い」でした。

チクセントミハイは、この問いに答えるために、仕事を愛し、活躍している人に、ひたすらインタビューしていったんですね。

このインタビューにおいて、チクセントミハイは、分野の異なる高度な専門家たちが、最高潮に仕事に「ノッテいる」ときに、その状態を表現する手段として、しばしば「フロー」という言葉を用いる、ということに気づきました。

チクセントミハイは、フローの状態、いわゆる「ゾーン」に入ると、次のような状況が発生することを報告しています。

  1. 過程の全ての段階に明確な目標がある

  2. 行動に対する即座のフィードバックがある

  3. 挑戦と能力が釣り合っている

  4. 行為と意識が融合する

  5. 気を散らすものが意識から締め出される

  6. 失敗の不安がない

  7. 自意識が消失する

  8. 時間感覚が歪む

  9. 活動が自己目的的になる

チクセントミハイは、特に「3. 挑戦と能力が釣り合っている」という点について、次のようなチャートを残して詳細に説明しています。

高いスキルを持った人が、なんとかやれるレベルの課題に挑戦し、その上で、外乱が入らず、集中が持続できるなど、いくつかの条件が揃ったときに、初めて人はフロー状態に入ることができる、ということです。

チクセントミハイの指摘で面白いと思うのは、上記のチャートがダイナミックなもので、時間の経過に伴って「挑戦レベル」と「スキルレベル」の関係はどんどん変わっていく、という点です。


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