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海外に住むーワーキングホリデーという選択肢

ワーキングホリデーと言うトピックに関してはすでに多くの方が記事にされていることと思います。私の周りにも多くのワーキングホリデーの方がいます。ここではワーキングホリデーって何と言う方のためにも説明しておきます。

ぼんやりとなんとなく「海外に住んでみたい…」と思っておられる方は少なくないでしょう。と言っても、多くの方は海外旅行に興味はあっても、住むことについては興味がないかもしれません。ある調査では先進国の若者に海外に住んでみたいかと言う調査を行ったところ、Yesと答えた韓国の若者の比率はが7割強だったのに対して、日本はランキングの中で最低だったと言う記事を読んだことがあります。これはある意味で現在の日本の挑戦しない精神を表しているのかもしれません。とは言え我々には「なんとなくここではないどこかに住んでみたい」と言う意識があると思います。この意識は多分全人類共通だと思います。そういう意味ではまだ日本の若者にとっても海外に住むと言う選択肢は現実的なものかもしれません。

ワーキングホリデーとは簡単に言うと、日本国ともう片方の国が協定を結び、一定の条件を満たした人間を一定の期間だけ住まわすことができると規定した制度です。ワーキングホリデーと名前がついています通り働いてもいいですし、ホリデイとしてつまり休暇として遊んでもいいわけです。各国それぞれによって規定が若干異なりますが基本的な概念はそのようなものです。住める期間は6ヶ月であったり2年であったりしますし延長が認められる種類もあります。国によって条件は異なります。 25歳までと言うところもあれば30歳までオーケーと言うところもあります。細かい条件に関してはその都度毎年条件が変わりますし、本ブログが意図することではありませんので、他の方のブログや公式のウェブサイトを参照してください。多くのブログで適当な意見が散見されますので、情報を確認するときにはその情報が本当に正しいのか、ソースは何か、ブログの発信者が信頼できる人間なのかをよく見極めてください。

さて、私がこの記事を書いている時点で、日本は22カ国の国とワーキングホリデーの協定を結んでいます。興味深いところではアイスランドもあります。 1番人気が高いのがイギリスだそうです。英語の国だから、ヨーロッパだからというのが大きいのでしょう。

正確なことを言えばイギリスのワーキングホリデーは正式名称ワーキングホリデーとは呼称しないのですが便宜上ここではワーキングホリデーと呼ぶことにします。

私は2016年にアイルランドにワーキングホリデーで1年住みました。その後アイルランドからイギリスのワーキングホリデーを申し込んだところ、ありがたいことに当選したので、アイルランドからそのままイギリスにバスとフェリーで引っ越しをしました。イギリスにはワーキングホリデーで2年住み、その後イギリスを一旦出て、観光客として戻ってきてさらに半年住んだことになります。合計3年半を海外で過ごしました。

ワーキングホリデーの利点はその柔軟性にあります。働いても働かなくても良いというのはとても魅力があります。なぜならイギリスの場合就労ビザを取得するためには規定の時間労働を行わなければなりません。そのため日系の企業に正社員として入社し、日本と変わらない時間を奴隷のように働かされている様子を見ることがあります。もちろんその方の行いたいことや夢、事情がどんなものか私は知ることができませんので、一概にはジャッジすることはできませんが、せっかく海外に来たのにこれでは意味がないのではないかと思ってしまうこともたまにはあります。

私はワーキングホリデーで3年半を過ごしたと言いましたが実はこの3年半その国で仕事をしませんでした。正確に言えば日本の会社とオンラインで仕事をしていました。つまり実質的には日本で仕事をしていたことになります。俗に言うリモートワーカーです。もちろん会社に迷惑をかけてはなりませんので時たま日本に帰りオフィスで仕事を行うこともありました。このリモートワーキングはとても便利なもので、私はシステムエンジニアとして働いていましたが、私の友人の何名かは翻訳の仕事でリモートで働いておられたようです。他にも言語の先生をやっておられる方もいました。 Skypeなどで生徒さんに英語あるいは日本語を教えると言うお仕事です。このオンラインの仕事に関しては各個人によって事情が異なりますので、自分が個人事業主にあたるのかそれとも企業と雇用関係にあるのかなど税金のことが関係するのであらかじめちゃんと確認しておいてください。

このようなリモートワーキングのおかげで私は観光客としてイギリスに戻っても仕事を行うことができたわけです。といっても、空港で有人つまり人がいるイミグレーションで「私はリモートで仕事をしているので観光客として戻ってきました」と言うと、大抵の場合「それは観光客とは言えない」と入国拒否をされてしまうそうなので何を申告するかは注意が必要です。

リモートで仕事をする話から離れましょう。ワーキングホリデーの利点に関してです。何よりも狭い日本から出てグローバルな世界で活躍すると言うのは本当に素晴らしいものです。日本にいても別に困らない、海外を知る必要はないインターネットもあるし自由に楽しめると言う方も多いでしょう。あるいはご家族やご自身のご病気等の事情で海外に出られないと悔しい思いをしておられる方もいらっしゃるでと思います。でももし可能であるなら、やっぱり若いうちに一回くらいは海外に出たほうがいいことあるなあと感じています。

ちょっとしたエピソードを一つ。
イチロー選手はプロ野球選手として世界的にも有名ですが、それでも素振りの練習は欠かさないと言いました。なぜ世界的にも有名な野球選手が、素人も行う素振りの練習いまだに行っているのか?その答えは「人間は、自分のやり方にいつの間にか固執してしまうのでちゃんとスタート地点に戻って自分の変な癖がついていないか確認する必要があるから」と言うことでした。

この話はとてもいいなと思いました。

人間の脳って基本的になまけたがるんだそうです。新しいことよりも、普段慣れているやり方のほうがエネルギーを消費しないので、エネルギーを節約できる方法を選択肢がちな傾向があるとか。
誰もが「ここではこういうやり方なんだ」とか「これが普通なんだ」と考えてしまいがちなことでも、自分の世界や文化圏とは全くかけ離れた場所からやってきた外国人に「でも、こういうやり方もあるんじゃない?」と一言言ってもらえるだけで、視野が広がるかもしれませんね。
自分のやり方に固執してしまうあまり、視野が狭くなってしまうということは自然なこと。でも、視野が狭くなっている事は、外から指摘されない限り滅多に気づく事はありません。ちゃんと素振りを行わないと、変なやり方が癖になってしまっているのに気づいていないかもしれないのですね。

日本の中にとどまっていると当然のようにこのような癖がついてきます。例えば日本に深く浸透している「周りに迷惑をかけてはいけない」という考え方。とても素晴らしいものだと思います。この考え方のおかげで日本の秩序の良さは保たれています。ですがこの考え方は両刃の剣です。あなたが困った時に助けを呼びたいとおもっても、躊躇してしまうかもしれません。周りに迷惑をかけてはいけないからです。あるいは誰かがあなたに助けを求めたときに、一応あなたはその人を助けてあげますが、「迷惑をかけてきたなぁ」となんとなくその人をジャッジしてしまうかもしれません。

この例の「周りに迷惑をかけてはいけない」という考え方は、日本の外では通じないのはご存知でしょうか。少し言い過ぎかもしれませんが、海外では一般的に「私もあなたも人間。だから誰でも間違いを犯す。だから私はあなたに助けを求めるしあなたは私に助けを求めてもいい。困った時はお互いに助け合うべきだ」という哲学の方が多数派です。どう思いますか?といっても「それはそうかもしれないけどでもやっぱりね…」と思ってしまうかも。「本当はそのほうが楽なんだけどね〜」と思われたなら、ぜひそれを海外で経験するのもいいと思います。海外に行くと外国人の友達ができます。あなたと違う文化背景で育った人です。何かあるとすぐに困った助けてと連絡してくるかもしれません。まだそんなに親しくなってもいないのに、地下鉄の乗り方が分からないから切符の買い方を教えてくれだの、どこどこまでいくのが怖いから一緒に来てくれだの頼まれるかもしれません。最初のうちあなたは「そんなことぐらい自分でなんとかすればいいのに…」と思うかもしれません。そうやってこういう関係を広げていくうちに、「そうか、こんな事でも人に助けを求めていいんだな、迷惑をかけてもいいんだ」と気づくようになります。そしてそのうち、あなたも大した事もないのに教えてくれだの助けてくれだの外国の友人たちに連絡するようになるでしょう。そしてあなたは自分の力に頼るだけではなく、人に頼ることの大切さを学ぶのです。

説明が長くなってしまいましたがワーキングホリデーの利点を1つ、わかりいただけたでしょうか?つまり日本では学べなかったことがを海外では学ぶことができるのです。それは学業だけではありません、精神的なものです。自分自身を成長させる上でこうした経験はきっと役に立つでしょう。

もちろん、謙虚になることを学ばなければなりません。「自分は海外を経験してきた」と傲ってはいけませんと肝に銘じています。ワーキングホリデーを経験したり留学してきた学生が、新卒や中途採用で就職活動するときにうまくいかないと言う話がありますが、その理由の1つに、あまりに海外での経験にこだわりすぎているからと言う話を聞いたことがあります。

ですから、自分自身に対してバランスを持つことも大切なんですね。

ワーキングホリデーには、まだまだ利点がたくさんあります。 1つの記事にまとめるのは不可能ですので、また機会を改めて良いところを書きたいと思います。いずれにしろ1人でも多くの方が、ワーキングホリデーについて考えていただければ私としてはとてもうれしいです。





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