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どうしよう。頭が悪い。

タイトルを読んだだけでも伝わると思うが、頭が悪くて悩んでいる。

先月発売された書評家の若林踏さんの『新世代ミステリ作家探訪』に、自分もインタビューを収録してもらった。それを読んで思ったのは、他の作家さんに比べて自分があまりにものを考えていない、ということだ。

何も考えていないわけではないと思う。ただ「考えたことを言葉にする」という経験をあまりしてこなかったので、何を考えていたか覚えていないし、人から聞かれても説明できないことが多い。
そもそも、深く物事を考えるということ自体をしていないような気もする。

だが他の作家さん達のインタビューを読んで、これではいけないと内省した。自分は掲載されている作家の中ではおそらく最年長の44歳だ。その歳で、若い作家さん達に比べて明らかに「頭が悪い」という印象を与えてしまっている。いや、印象ではなく、事実悪いのだ。

自分がミステリーにはまっていくきっかけとなったのは綾辻行人先生や我孫子武丸先生、法月綸太郎先生、麻耶雄嵩先生といった、いわゆる新本格の先生方の小説だった。その先生達が京都大学の推理小説研究会というサークルに所属していたと知り、いつか大学生になったら自分も推理小説研究会に入ってミステリー作家になりたい、などと本州最北端の地で夢見ていた。当時の自分は、そこがとんでもなく頭の良い人の行く大学だということすら分かっていなかった。

推理小説研究会には入れなかった(弘前大学にはなかった)が、自分はどうにかミステリー作家になることができた。
だが自分以外のミステリー作家さんの作品を読んだり、Twitterのつぶやきやブログやnoteの記事、メディアに掲載されたインタビュー記事を読むと、ミステリー作家の多くは頭が良いのだと気づかされる。そして自分はどうやらそういう人達とは違う、ということを思い知る。

頭が良くなりたい、と思う。
いつかまたインタビューを受けたり、小説以外の文章を書かせてもらう機会もあるかもしれない。このままではいけない、と切実に感じている。

それで訓練として、まずは「考えたことを言葉にして書く」ということをやってみようと思った。これは自分がとても苦手とすることだ。
自分のTwitterのツイートやブログやメルマガを読んだことのある人は分かると思うが、自分は基本的に「起きたことを書き記す」ことしかしていない。
大したことは考えていないし、何かについて深く考えることは苦手だ。だから言葉にして人に伝える価値のある考えを持っていないのだ。

だが、これは練習だと思えば、価値があるかどうかはひとまず置いて、考えたことを文章にすることくらいはできそうだ。
今後、放置気味だったこのnoteに定期的に、考えたことをこうしてダラダラと書いていきたいと思う。
言葉にしても上手く伝えられないかもしれないし、結論が出ないことを考えてしまう時もあると思うが、そういう教習中の人だと思って温かく見守ってほしい。

ちなみに自分が『新世代ミステリ作家探訪』を読んでいてもっとも危機感を覚えたのは、ミステリーで言うところの「ロジカル」の意味が実はよく分かっていないのに気づいたことだ。
インタビューで自分は若林さんから「ロジカルな犯人当てよりも一発大技のトリックが仕掛けられた小説の方が好みなのでは」という質問をされている。意味も分からないのに「そうですね」と答える自分があまりに悲しく、これはどうにかしなければと思った。

ということで、月に1回以上の更新を目標にこういった小説じゃない文章を書こうと思いますので、どうかよろしくお付き合いください。
あとどなたか「ロジカル」の意味を易しく教えていただけると嬉しいです。


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