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「ゲーム理論」マガジン

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ゲーム理論に関連した話題について執筆したnoteを集めたマガジンです。
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#マッチング

マッチング理論に何ができるか<後編>

マッチング理論に何ができるか<後編>

前編はこちらです。

【第5回】 耐戦略性:正直者が損をしないために

今回は、参加者のインセンティブの観点から、マッチング制度の良し悪しを分析してみましょう。具体的には、各児童が志望順位を自治体に正直に申告するインセンティブはあるのか、順位を意図的に操作して得できる可能性は無いのか、といった問いに答えていきます。前々回の例をふたたび用いながら、議論していきたいと思います。

上の表は、本人たちが

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マッチング理論に何ができるか<前編>

マッチング理論に何ができるか<前編>

9月8日~20日まで日本経済新聞の「やさしい経済学」に

「マッチング理論に何ができるか」(全8回)

という記事を寄稿しました。その草稿バージョンを前編・後編に分けて投稿させて頂きます。編集者の手が全く入っていない文章なので、掲載稿とは違った趣き(?)があるかもしれません。ちなみに、もともとの仮題は「マッチング理論の実践と新たな挑戦」でしたが、やや冗長だったせいでボツに…。関連する以下のブログ記

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Matching and Market | マッチングと市場

英文ブログ[2011/5/4]より転載

コメント 明日からマッチング理論とも関連の深いワークショップに参加するので、その予習(?)というか肩ならしも兼ねてアップしてみます。財・サービスの種類を増やすことによって一般均衡理論は次第に“リッチ”になっていきますが、そうすると個々の市場がどんどん薄くなってしまい「プレイス・テイカー」の仮定が成り立ちにくくなる、という(市場理論のジレンマのとでも名付けた

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Echenique (2003)

英文ブログ[2014/5/5]より転載

コメント 英語の記事は不人気と知りつつも、僕自身の備忘録も兼ねてときどき更新していきます。Lattice(束)の性質、特にSublattice構造は、マッチング理論などの既存命題の理解を劇的に促進してくれる便利なものですが、まだ十分に研究し尽くされていないように思います。にしても、(この論文はそれほどではありませんが)Echenique氏の研究はいずれも

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