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覆面カウンセラーの独り言 ~新入社員のみなさまに~

日々の業務、お疲れ様です!
入社して三か月が経過しようとしておりますが、新しい環境には慣れてきたでしょうか?

今日は、この時期になると新入社員の皆さんから相談を受ける「あること」について、私なりの考えを伝えようと思います。

その相談とは、一言でいえば「こんなはずじゃなかった」です。
つまりは、入社時に抱いていた希望と、社会生活での現実とのギャップに悩み、退職を念頭に相談に来られる方が非常に多いのです。

これは、7月~8月にピークになり、9月を超えると落ち着いてきます。
いろんな「こんなはずじゃなかった」があるのですが、何より一番多いのが

「希望職種と違うことをさせられている」

ことについて不満を感じ、そのうちそれが「このままでいいのか」という不安に変わってきて、「このままじゃいけない」という結論に達する、というパターンです。

例を挙げますと、Aさんは国立大学を卒業してシステムエンジニアを希望して大手のIT企業に就職しましたが、入社してから三か月経っても会議での資料作成や得意先への挨拶周り、新規顧客獲得のための営業など、希望していたプログラムの作成やネットワーク構築などの仕事はさせられませんでした。

Aさんは大学時代、プログラム開発で有名な賞を受賞したこともあり、即戦力として最前線で開発の仕事に携わりたいと考えていたため、この処遇に不満を持ち、相談に来られたのですが、来た時にはほとんど辞めるつもりのよう(すでに次の就職先候補まで考えていた)でした。

いつになったら希望する仕事ができるようになるのか、先行きも見えず、他社に就職した同級生が開発の仕事に携わってると聞いて、自分のキャリア形成に大きな不安を感じていたようでした。

若い方には特に多い傾向だと思いますが、とにかく
・ 結論、結果を急ぐ
・ 友人の話を鵜呑みにする(自分の信じたいものしか信じない)
という傾向が強いです。

Aさんの場合で言えば、「他社に就職した同級生」はいわゆるベンチャー系の企業への就職で、会社規模もかなり小さいので、そもそも社員の負担が大きく、休日や給与面でもそこそこの差がついていました。

当然、仕事の規模も小さく、「開発」とはいうものの、既存のシステムをクライアントごとにフィットさせていくような業務でした。

なので、単純に比較すること自体に無理があるのですが、そういう面には目が行かず、とにかく「同級生はやりたいことを仕事にできている」としか考えられないのです。

まずもって「自分は不当な扱いを受けている」という先入観が視界を曇らせ、自分にとって都合のいい情報しか耳に入らないようになってしまうのです。

会社と言うのは一つの「組織」であり、会社ごとの理念の元、営利と社会貢献を目指して一緒にやっていこう、という仲間が集まる場所でもあります。

自分のやりたいことだけを仕事にしたいのなら、起業してやっていかなければならないのですが、例えばAさんの場合、優秀なプログラムを開発したところで、それを「誰が顧客に紹介するのか」「誰がアフターフォローをするのか」「会社経理や事務手続きは誰がするのか」という問題を筆頭に、様々な問題が生じてきます。

独立しているなら、これらは全て自分でやらなければなりません。
ですが、会社であればそれぞれの部署が分業して作業に当たるため、開発の部署に配属されれば、それだけに専念することも可能となります。

ただ、だからと言って新卒採用の社員にいきなりそれを任せるかどうかはまた別の問題です。

こういう場合、私はロールプレイングゲームを例にして話をするのですが、新卒採用された新入社員の皆さんは、それまでの「学生レベル」が50であろうが100であろうが、一様に「社会人(もしくは会社人)レベル1」にクラスチェンジしているのです。

どんなに「たいりょく」や「ちのう」の基本ステータスが高かろうが、レベル1ではまともに戦えません。

なので、まずは「社会人」としてのレベル上げから始めなくてはならないのです。
レベル上げの方法は様々ですが、まずは冒険の依頼主となる王様(つまりは会社)がその方法について指導をしてくれます。

Aさんの場合で言えば「会議資料の作成」は実際に会議でどんな議題が上っているのか、どんな顔ぶれが参加するのか、どんな部署があるのかをレベルアップできる、最高の機会でしょう。

また、「新規顧客の開拓」はこれからクライアントとしてどんな組織、団体をターゲットにしていくのか、どんなプログラムが必要とされているのかなどがレベルアップできます。
さらに、顧客獲得の大変さを営業を通じて感じることで、開発の際の納期や満足度を高めるために、どのような工夫が必要かが学べるでしょう。

このように、まずはレベルを上げていき、それとともにステータスをバランスよく伸ばし、様々なスキルを身に着けた上で、初めて「自分の希望する仕事」について考え始めることができるのです。

会社側から見れば、「これなら任せられる」と思えるような信頼と実績を見せてもらえないうちは、やはり「やりたいことをやらせてあげることはできない」と考えるのも当然と言えば当然でしょう。

なぜなら、その部署にはすでにある程度のレベル上げを終えた「社員」が配置されているからです。

少なくても基本ステータスがそのレベルまで達していない人は、まずはそこまで自分を引き上げることが肝心でしょう。

レベルの低いままで新しい大陸に行って、遭遇した敵に全滅させられた経験、ありませんか??

同じようなことが、現実の社会でも起きるのです。
「セーブしてリセット」ができない分、こちらは深刻な事態に陥る可能性もあります。

なので、会社について、処遇についての不満を周囲に漏らしたり、結論を急いだりせず、まずは「自分が会社にとってどのような存在であるか」という立ち位置を見極め、自分が会社の立場ならどうか、上司の立場ならどうか、という多角的な思考を働かせてみて下さい。

もっと具体的に言うなら、「自分が上司の立場で、自分と同じような相談を新入社員から受けたらどうするか?」を考えてみて下さい。
皆さんも、来年の4月には「先輩」になり、おそらく3~5年のうちには「部下」ができているはずです。

そんな時に備える意味も含めて、まずは現在任せられている仕事をこなして「できるところ」を会社に示しましょう。
誰も気が付かないフリをしているかもですが、見ている人はきちんと見てます。

もしかしたら、私が、こっそりあなたの行動、言動をのぞいているかも、ですよ・・・。

そんな皆さんに、私からひとつアドバイスです。
一見、自分とは関係のない部署の人でも、積極的に挨拶し、話し掛けてみましょう。

他部署の先輩同僚、休憩室で会う方、清掃員の方、出入り業者の方、いろんな方から得られる情報は、これからの社会生活で必ず役に立ちます。
コミュニケーションスキルを磨くのにも、もってこいです。

やり方は、いたって簡単。
「おはようございます」「こんにちは」「おつかれさまです」
などの挨拶のあと、
「今日も暑いですね!」とか「湿気、やばいですね!」など、季節や天気の話を振ってみるだけです。

もちろん、相手にされない場合もありますが、会話が展開しそうなら、簡単に自己紹介もしてみましょう。
「4月に入社したばかりの〇〇課の○○です!」
これくらいでOKです。

とにかく、たくさんの人に「顔と名前」を「良い印象」とともに売っておくのです。

すぐに効果は出ないかも知れませんが、そのうち今度は向こうから話し掛けてもらえるようになれば、まずは成功の部類でしょう。

「八方美人になれ」とまでは言いませんが、日本の企業の傾向として、
「仕事のできる人」よりも「人当たりが良い人」「協調性のある人」の方が上のポジションにいきやすい、というものがあります。

会社でも社会でも同じことだと思いますが、つまるところ結局は「人間関係」なのです。
これは人間が「社会を形成する」ことで繁栄を極めていることからも明らかなのですが、どんなに偉い人でも、賢い人でも「一人」では生きてはいけないということの現れでもあります。

特に最近の若い人は「コミュニケーションが苦手」と言われることが多いですが、手段が変化しているだけで、私はむしろ最近の若い方の方がコミュ力は高まってると思っています。

最初は勇気がいるかも知れませんが、慣れてしまえばどうということもありません。得られるものの大きい、コストパフォーマンスに非常に優れた効果がありますので、ぜひ、試してみてください!

長くなってしまいましたが、最後までお付き合い下さった方、ありがとうございます!

それでは、今夜はこの辺で。
じゃわっとさんばばん!


#新入社員
#三か月
#アドバイス
#コミュ








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