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あほやん 高額のバイトを請け負う➕追伸(580字)

僕は借金取りに追われてる。
逃げていたのでは借金を返済する事は出来ない。
ある日、高額のバイトの依頼を受けた。
僕は喜んでその仕事を請け負った。

紹介されたホテルに行き、部屋に入ると、
照明も点けずに女が佇んでいる。
顔にはマスク。
悲しげな目で僕を見ている。
驚きを感じたが、今更後には引けない。

「私に口紅を塗ってくれる」
と、甘えた声で女が言う。
…口紅を塗る?そんな事自分でも出来るだろう…
と、言葉にはしないが、心で文句を言う。
静かにマスクを外す女。

僕の全身に冷水を浴びせられる程の悪寒が襲う。
…口裂け女だ!…
と、叫びたいが声も出ない。
女は微笑みながら、僕に口紅を渡してくる。
「これを塗ってね。綺麗に塗ってね。
今日は私の記念日だから」
…何の記念日?…と聞きたくなったが声は未だに出せない。
僕は、恐る恐る女に近づく。
手が震える。
唇に上手く塗れない!
どうしよう?
と、思い悩みながらも、必死に冷静さを装う。

「私、綺麗かな?」
と、微笑む女。
「き、き、綺麗です。」とやっと声を出せる僕。

女の笑みが、僕を更に恐怖に落とし込む。

女の瞳が急に色っぽく変わる。

女は僕をベッドの上に倒し倒す。
何も抵抗出来ない僕。

僕のバイトはヘルスマン。

追伸
あほやんの20字の小説二作をまとめて、
短編小説にしてみました。

これ以上を書くと、コメディホラー小説と言うよりも
官能小説になるので辞めます。

#小牧幸助文学賞

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