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奇跡なんて起こらない⁉️(600字の小説)

毎日の様に僕は、一人で部屋にいる。
外に出る事は無い。
でも、僕は精神異常者では無い。


「いつまで寝てるの?もう朝よ!早く起きないとダメでしょ」
と私を呼ぶ声は、父の後妻の声だ。
後妻は僕の事を何も知らない。

父は、今度で三人目の妻をめとる。
先の二人は不幸な事に父を残して先だった。

父と僕は血の繋がりの無い関係だ。
僕が幼児の頃、ある孤児院から養子縁組で父の子供となった。

父は僕のことをいつも可愛がってくれる。
僕の事を良く理解してくれる

僕は朝日に弱い。
太陽の出る所では生きていけない。
日光を浴びると死んでしまう。
僕の食事は女性の血

そう僕の先祖はドラキュラ伯爵。
そんな僕を知っている父は普通の人間。
僕の為にまた新たな食事を用意してくれた。

「早く起きないと、学校にいけないでしょう!」
と、怒鳴る後妻。
……うるさい奴め。この場で血を吸ってやる……
と、心に決めドアを開ける。

「やっと起きたのね。ドラキュラ伯爵。」
と、後妻はニンニクを私の口に捩じ込んだ。

「やめろ!」と言ってみたが
僕は、そのまま気を失った。

気がつくと、十字架に磔にされた僕。
その隣に父がいた。

「おまえ達悪魔は、今から火炙りの刑とする」
と、神父の声。
薪に火を点火され、僕の命はこれまでか!
と、思った瞬間奇跡が起こる。
一瞬の豪雨が、火を鎮火させる。

神の助けか!
僕は、神に感謝した。神は僕に微笑みを与えてくれる。
悦びも束の間、

豪雨が止み太陽の日差しが、私を襲った。


追伸
奇跡なんてそう簡単には起こりません。
死刑を途中でやめさせる事など不可能です。
でも、日蓮は首の座に及んでいても奇跡を起こさせた。
ドラキュラでは無理ですね







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