(新)三つ子の魂百までも(7) 1 ボーン 2023年8月14日 19:30 7二人の依頼人が帰った後、心配そうに直美が、「裕美、本当に大丈夫なの?あの案件引き受けて?」と、訊ねて来た「大丈夫よ。必ず解決するわ。以前幽霊の案件だって、私は見事に解決したでしょ。この案件を解決できるのは、私しか居ないわ。」と、自信満々だ。「先ずは、息子さんのいたアパートに行って、調査してくるわ。公ちゃんを貸してね。二人で調査するから。それと、警察に行って情報を得たいから、叔父さんに伝えておいてね。必ず解決して見せる。1000万のお金を得る為!」「本当に大丈夫かしら・・・(*´ー`*)」と直美は不安を隠し切れない。公一と剛田の二人が案件調査を終え事務所に帰って来たのが19:00過ぎであった。事務所には、伊東と直美と裕美の三人がソファーに座り難しい顔を並べていた。その雰囲気は重く、容易に声も掛けられる気配ではない。だが、裕美は公一を見ると直ぐに声を掛けた。「公ちゃん、チョット。こっちに来て。」と、声が重い。「何でしょうか?」と、かしこまる公一。「俺は帰るわ。」と、伊東は席を立ち帰って行った「剛田君もこっちに来て。」と直美が呼ぶ。四人がソファーに座り、直美と裕美が並び対面する形で剛田と公一が座った。「今から話す事をよく聞いてね。実は今日、新しい案件が入ったのよ」と、直美が重い口調で言った「成功すると1000万よ」と嬉しいそうに軽く言う裕美。「1000万ですか?・・・( ◠‿◠ )」と、同時に二人が驚く。「成功したらね!」と直美さんが釘を刺す様に言い「今から説明するけど、松田正太という方が急に行方不明になったのよ。その捜索を両親から依頼されたのよ。松田正太さんは25歳で⭕️⭕️商事会社に勤めているの。大企業の会社よ。そこの営業マンで成績も優秀だったとの事よ。その人が無断で欠勤しこの二週間位、居ないの。連絡も無いの。両親の話しだと、恋人も居ないらしいの。全くの行方不明で・・・・。今、噂になっている事件に巻き込まれているかも知れないのよ。」「今の話題って、SNSで話題になっているあの事件ですか?」剛田が聞いた。「まだ、解らないけどね。もしかすると、そうかも知れないの。だとすると、大きな組織が絡んでいるかも知れないわ。若い男ばかり誘拐して海外に売り飛ばす。その様な組織がバックにあるかも知れないの。伊東の叔父さんがそう言っているのよ」と、直美さんの声は重い。……だから、あの様な暗い顔していたんだ……難しい顔が並んでいた理由が判って公一は安心した。「僕、この事件の事で、知り合いの刑事に話しを聞いて来たのですが、まだ何も解明できていないみたいです。この前、この街で行方不明になった方が最後にみられたのは、❌❌公園のベンチで座っているのが目撃されています。その方が、松田さんでしょうか?」と、公一は事件の報告をするみたいに伝えた。「そうなの、あの公園で行方不明になった人がいるの?今度、警察の人にその人の名前を聞いてみて」と、裕美が言う。何かを感じたのだろうか?「今聞きますよ。」と僕は、岡刑事に電話を掛け確認すると、男の名前は松田正太と判明した。「という事は、松田君は公園に20:00頃居たのが最後ね!」と、裕美さんの目が輝いている。「あっ、それと、聞いた話しによると、公園のベンチが変形しているそうです。熱が当たったのか分からないけど、一脚だけ変形していると言っていました。」「ベンチが変形していた?・・・・」と、頭を押さえながら、裕美さんは瞑想する様に考え込んだ。そして、言った。「これは、人的なものでは無さそうな気がする・・・やはり、私の思っていた事が・・・・・まだ解らないけどね。」と、理解不明な事を云う「チョット辞めてよ。」と、直美さんが気持ち悪そうに言った。剛田君は不思議そうに裕美さんを見ている。ここは剛田君に説明が必要と想い僕が解説役に回った。「剛田君。何を隠そう、隠しはしませんが、裕美さんは霊能者です。それも優秀な霊能者。テレビに出演したら、良いくらいの霊能者です。以前、裕美さんは、天才科学者と言われた男の霊を呼び出し事件を見事に解決したのです。霊の事を信じますか?」「信じますよ。僕の友達に霊を撮るカメラマンが居ますから。」と、あっさりと肯定する剛田である。「霊を撮るカメラマンって、この前ネットで紹介されていた人ですか?今所在が分からなくなっているとの事でしたが?」と、僕が聞くと、「いや、僕のところで一緒にいますよ。彼はシャイな男だから、マスコミに騒がれるのが嫌みたいです。」「本当に霊の写真が撮れるのですか?」と、僕は不思議に思って聞いた。「う〜ん。・・・(^∇^)」と、剛田は考え込む「実はマスコミに出した事件の写真は見ましたが、最近のは見た事ないです。彼も『最近取れない』って言ってました。だから、マスコミから逃げているみたいです。」……さっきはマスコミに騒がれるのが嫌だと言っていたのに、本心は、撮れないから逃げているのかいい加減な人かも知れない……と、思う僕であった。https://note.com/yagami12345/n/ned53fbea72d9 ダウンロード copy #小説 #妖怪 #解決 #売れないKindle作家 #悪霊 #失踪事件 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート