クレハ「鬼の花嫁　運命の出逢い」

クレハ「鬼の花嫁　運命の出逢い」(スターツ出版文庫)。シーモア「電子コミック大賞2023」受賞。電子書籍版はこちら↓
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　世界は人間とあやかしが共存していた。愛らしく秀でた妹・花梨はあやかしの花嫁に選ばれた。妹に蔑まれ、両親からも二の次にされる姉・柚子。柚子を不憫に思う祖父母は差別を糺すが、両親は聞く耳を持たない。家に居づらくなって家出した柚子を、通りかかったあやかしの御曹司・鬼龍院玲夜が花嫁に指定した。不運のどん底にいた柚子と花梨の立場が逆転する。
　まさにシンデレラストーリー。凡々たるが美しきヒロイン、それも意地悪家族の中で、どん底の境遇。そこに颯爽たるナイトが登場して、突然として世界は薔薇色に。構造は少女漫画と同じ。平凡なあたしが、雲の上の名門イケメンに射止められる。大した努力はしていないが、屈辱に耐えてきたジミガールに日が当たる。そして彼女を虐めて、蔑ろにしてきた家族や良からぬ企みをしでかした輩には天罰が下る。読んでいて、わかりやすく、華やかで、達成感がある。