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大野克彦「にんにん忍太くん②」

わんぱっくコミックリバイバル1月配信。大野克彦「にんにん忍太くん②」。電子書籍版はこちら↓
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「倭神天の書」奪取を諦めない魔幻一族は、猿飛佐助を先祖とした猿飛家第22代の青葉台小学校5年生の忍太をつけ狙う。「倭神の書」は第一の書、第二の書とも、中林家から猿飛家に渡っていたからである。中でも夜叉丸は登下校で、プールで、誕生日プレゼントで、しつこく忍太を襲うが、いつもギャフンと言わせる返り討ち。「倭神天の書」を学んだ忍太は、いつの間にか実力をつけていた。猿飛佐助は忍太にひとり立ちを命じる。歯が立たない若い衆に業を煮やした魔幻一族は、ついに首領である幻妖居士が乗り込んできた。果たして忍太は「倭神天の書」を守り切ることができるのか。

 物語の骨格は、猿飛家vs.服部家の忍法天下取りのお話。しかし服部家ひいては風魔一族の手下への冷遇と無関心が、子供世代忍者の反発と落胆で、親世代が見放されてしまう。そこで受け皿となったのが、本来なら敵であった忍太くんである。敵味方併せ飲む忍太くんの懐の深さが、服部和正やローラちゃんたちを仲間に迎え入れる。中でもローラちゃんは、にん太くんに友情以上の少女としての愛情を仄かに感じさせる。さらに新たに中林家のお嬢さま・秋葉ちゃんも登場。そんなモテ男にん太くんだが、そこはMLBの人気者・大谷翔平選手と同じでカッコいい反面どこかにスキと愛嬌がある。打算づくの大人たちと、本物を見極める力のある子供たちの対決。そこに猿飛家の先祖伝来の信頼が加われば、勝負の帰趨は自ずから明らかである。

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