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毛利甚八(作)+魚戸おさむ(画)「家栽の人①」

毛利甚八(作)+魚戸おさむ(画)「家栽の人①」(小学館)。船越英二主演でテレビドラマ化もされた漫画作品。
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家庭裁判所=家裁の判事を務める桑田義雄氏。司法学校当時から抜群の成績優秀にして、父親は高裁長官でエリート街道のはずが、家族のために地方転任拒否で家裁判事にくすぶっている。そんな家裁では離婚調停や少年犯罪の対処に、500件以上の案件を抱え込む多忙。ともすればやっつけ事務仕事に陥りがちなところを、桑田判事が絡むと異彩を放つ審理結果に。それと言うのも植物を愛し、常にその栽培に最新の注意を払う桑田判事の姿勢が、判決にも影響を及ぼしているからだ。何を裁くかではなく、裁かれる人たちが幸せにあるためにはどうあるべきかを問う桑田判事の審理。本作品では桑田判事自身の言葉で、あらゆる植物の生育を例示して、日々の何を大切にすべきかが懇々と語られる。一つ一つのエピソードに込められた思いやりに、嗚咽慟哭の10章である。

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