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「SHIBUYA TSUTAYA」リニューアルの成功は、CCC高橋誉則新社長の先勝

CCCの高橋誉則社長がマーケター・オブ・ザ・イヤーを受賞されたということで、ご同慶の至り。日経クロストレンドによれば「渋谷TSUTAYA『推し活の館』に大刷新で客数2倍 『前例なし』へ挑戦」。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01062/00001/?gift=A1CdNYumkL8mEom%252B24bU7q8BS4l2WN85bd62SWW0ZW0%253D&n_cid=nbpnxr_gift
 自分も渋谷に行く用事が多いので、全館リニューアル以来ちょくちょく中を覗いてみていた。これまでの本の販売やDVD・CDレンタルから「推し活の館」にモデルチェンジ。思い切った転換に感心すると共に不安も覚えた。これはおそらくCCC社員にとってもそうだっただろう。先ず感心した点は、先の見えなくなったレンタル事業にスッパリ引導を渡した点。こういう見切りの早さは、CCCのずっとすごいところ。反対に不安だった点は「推し活の館」でレンタル事業とTポイント(今はVポイント)にとって代われるのか?という点。現在のCCCはラウンジ事業に力を入れている。しかし「推し活の館」にせよ、ラウンジ事業にせよ『渋谷の一等地だから通用するのではないか?』という懸念は、誰しもが抱くところだろう。
 しかしそもそもCCCは「推し活」やラウンジ事業が、レンタル事業やポイント事業に取って代わるとは一言も言っていない。ただ少なくともSHIBUYA TSUTAYAのリニューアルが成功したということは、紛れもない事実。カリスマ社長だった増田宗昭氏から社長を引き継ぐという青天の霹靂を体験した高橋誉則社長。名誉な反面で、どんなに重圧だったことだろう。旧知の友人なので、最初の成功を見て安堵。たまたまCCCの方に呼び出されて、SHIBUYA TSUTAYAのラウンジで打ち合わせ。打ち合わせついでに6階のIP書店を案内して頂いた。4月の再開当初は予約客しか入れなかったが、今は誰でも入れるフロア。ただし一部は予約客しか入れないエリアがある。このフロアは基本的に物販だが、アニメや漫画の作品毎に棚が構成されている。そこで売られている商品はSHIBUYA TSUTAYA限定品。だからアニメ好きのインバウンド客が殺到している。しかし逆に考えれば、全国展開できないので、大量生産大量販売は難しいだろう。7階はIPカフェ。ここは2〜3ヶ月毎にテーマを変えて、内装や展示品をリニューアルする。6階のIP書店のカフェ版である。SHIBUYA TSUTAYAの成功を寿ぐとともに、今後のCCCがどのように事業開発の舵を切ってゆくか、古巣だけに興味津々である。

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