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世界卓球の団体女子決勝戦は中国撃破まであと一歩、そこに伊藤美誠監督の貢献

世界卓球選手権の団体女子決勝戦は、ずっと2位に甘んじてきた日本🇯🇵が、常勝の王者🇨🇳中国をあと一歩のところまで追い詰めた。第5ゲームで張本美和選手が、陳夢選手から1ゲームを先取した時点では『もしかして』と期待した。しかし最後の坂を越えるか越えないかが、大変な難所。この試合では平野美宇選手が絶好調だったので、第5ゲームの起用次第ではとも思ったが、それは結果論。実質的には第4ゲームの早田ひな選手vs. 孫穎莎選手のエース対決で決着していたような気がする孫穎莎選手

陳夢選手を破った早田ひな選手
勝利を挙げることはできなかったが実力を示した15歳の張本美和選手
2勝目を挙げて快哉する平野美宇選手


 この試合を見ていて、2つ感動したポイントがある。どの試合でも同じだろうが、ゲームを終えた選手は相手チームの監督のところに行ってハイタッチ。『ラグビーのオフサイドや、サッカーのユニフォーム交換みたいでいいなあ』と思った。もう一つは、伊藤美誠選手のベンチワーク。渡辺武弘監督よりも誰よりも、積極的に選手と喋っていた。出場選手たちも伊藤美誠選手の助言を欲していた。それはそうだ、伊藤美誠選手は世界ランキング第2位まで行った、日本では最も試合経験の豊かな選手なのだから。しかも中国で武者修行して、中国選手の特徴をよく知っている。話す際も、出場選手たちを褒めながらアドバイスしている。このような状況を世間では「伊藤美誠監督」と呼んでいたが、伊藤美誠選手がいかにマネジメント能力に長けているかを示している。伊藤美誠選手も『内心では(サブで出場できない)悔しさを押し隠している』と吐露している。しかしベンチでの誠心誠意のお母さんぶりには、その健気さに涙が出た。それなのに伊藤美誠選手が(立たないで)座席に座って応援しているのを、SNSで非難している人々がいるのは嘆かわしい。伊藤美誠選手は「選手が落ち着いてプレーできるように配慮して応援している」と説明している。選手の気持ちを誰よりもわかっているのは、伊藤美誠選手だ。

早田ひな選手に懸命にアドバイスする伊藤美誠選手


 今回の世界卓球では中国に勝てなかった。実質的には世界ランキング第1位の孫穎莎選手1人に負けたようなものだった。それでも今回の中国は変だった。世界ランキング第2位の日本だけでなく、世界ランキング21位のインドにも2ゲーム先取された。それだけ中国も世界に研究され尽くしている様子だ。日本の最高の舞台はパリオリンピックに取っておけばいい。第5ゲームを落とした張本美和選手は、この悔しさを決して忘れないだろう。そしてその時こそ、伊藤美誠監督であってもいいのかもしれない。

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