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女将が覚えていてくれると嬉しいものだ「寺方蕎麦長浦」

お年賀を求めに浅草へ。住宅街の飲食店は年始で休んでいるが、繁華街は『ここが稼ぎ時』と軒並み開店している。人出もすごくて雷門前は歩行者天国で、並んでいないお店などない。
 ここのところすっかり贔屓になって通っている「寺方蕎麦長浦」に寄る。他のお店に比べれば、並んでいる人数も少なかった。本当は「葛引き蕎麦」が試してみたかったが、あいにくとメニューは正月対応で縮小版。オーダーは「玉子とじそば」@1300。実は先日に大坂砂場で隣席の着物姿のご婦人が召し上がっていて大変美味しそうだった残像が目に残っていた。温かいかけ蕎麦の上にフワフワの卵と刻み海苔が乗っている。卵の優美さにもうっとりしたが、刻み海苔の香りがたまらない。ここで温かい蕎麦は初めてだったが、スルスルと啜れる柔めの蕎麦と出汁の効いたツユで身体が温まる。
 自分の後から続々と待ち行列が長くなり、急いで食べて、慌てて会計を済ませる。女将さんから「忘れ物ですよ」。「あ、お年賀を忘れた。これでは何しに来たかわからない」。さらに「ハンカチも忘れてますよ」「あ、本当だ」「いつもの席じゃなかったから勝手が違ったのでしょう」と笑う女将。たしかに今までの端っこにあるコの字型の席ではなく、中央のテーブル席に案内されていた。内心で『あー、覚えてくれていたんだ』と胸キュン。これこそ客商売の極意である。まあ「雲水そば」の製法を質問したりして「変な客」と思われていたのであろう。
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