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夢枕獏「黄金宮Ⅱ 仏呪編・暴竜編」

夢枕獏「黄金宮Ⅱ 仏呪編・暴竜編」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
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 黄金の勃起仏と一枚の地図を、託された地虫平八郎。アフリカから持ち帰った探検隊のメンバーは、奪還に来た黒人に次々と殺される。その秘宝は、かつて空海が伝えた密教の一部に由来していた。物語は中盤にかかる。未だ完結はしていない。まだまだ続く。ついにアフリカも秘境マラサンガ王国の実態と、そこで繰り広げられた探検隊5名の行状が明らかになってくる。一方で黄金の勃起仏を巡って、暴力団の獄門会、九州の裏密寺が、地虫平八郎を真ん中に置いて対立する。さらにそれを取り返さんと、アフリカの対立する二派が争いに加わるカオス。
 仏呪編・暴竜編の魅力は何と言っても、アフリカ奥地の神秘である。類人猿マヌントゥ、恐竜ムベンベなど太古の生物が棲息するミッシングリンク。そして王国に伝わる黄金の埋蔵や食人の儀式。見果てぬ大陸への畏怖と憧憬。私たちにはまだまだ知らない世界がある。情報過多で世界の隅々まで見せられるインターネット社会へのアンチテーゼのように思える夢枕獏のめくるめく紙芝居。


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