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小林まこと「柔道部物語」(講談社:全11巻)

小林まこと「柔道部物語」(講談社:全11巻)を電子書籍で読了。友人に薦められた「JJM女子柔道部物語」を読み、その引き続きで1冊読んだら、もう止まらなくなった。何より技の描写が正確なのがいい。背負い投げ、一本背負い、肩車、膝車、袈裟固め、上四方固め、体落とし、裏投げ、支え釣り込み、内股、内股すかし、巴投げ、脇固め、送り襟締め、大外刈、大内刈、小外刈、小内刈。いつか教わった技、かけた技は身体に記憶がある。試合中の激しい動きが、生き生きと躍動的に描かれている。
三五十五という、父親がふざけてつけた名前の主人公が、岬商業入学の高校から始めた柔道で、背負い投げを武器にグングン成長してゆく過程を描いた漫画。県大会の優勝やインターハイ出場を目指して団結するチームワーク。チームに実力がつくにつれ、ライバルチームのエースたちとも育まれる友情が微笑ましい。稽古や試合に熱中する一方で、みんなちゃっかり恋もしている。
主人公の十五にとって最大のライバルとなった、勝負には非情の鬼である西野新二。金鷲杯決勝での十五との激闘の後に、精神的に救われた西野新二が心を開いてゆくシーンにはホロリとさせられた。どんなに強い柔道の猛者たちであろうと、所詮はその前に学生である。競い合う選手たちもさることながら、彼らを見守るおとなたちも素敵だった。柔道経験者である著者が、自らをも含めた青春に贈る応援歌。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/柔道部物語

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