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自分の歳の半分以下で、自分の子供より遥かに若い同僚女子に薦められた、鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」
自分の歳の半分以下で、自分の子供より遥かに若い同僚女子に薦められた、鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA)を読了。電子書籍版はこちら↓
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久しぶりに書店に寄った75歳の老婦人・市野井雪。料理の本を買うつもりが、つい美しい絵に惹かれて買った漫画。それは、人生で初めて出会ったBLコミックス。彼女は予期せぬ展開にビックリ仰天しながらも、その歯がゆい恋心に引き込まれてゆく。そんな老婦人に興味津々な書店員のバイト女子高生・佐山うらら。続巻の発注で、いつしか接近し合う二人。夫に先立たれた老婦人の寂しさと、人前でうまく喋れない女子高生の気後れ。寄り添うことによって、お互いの欠落が埋まるどころか、生き甲斐にすらなってゆく。
正直言って、男性漫画に慣れた身にとって、こういう細い線の漫画はあまり得意ではなかった。しかしストーリーは素晴らしい。淡々と描きながらも、読んでいて心が温かくなってくる。同僚女子曰く「最近は恋愛でもなんでもない、寄り添って和む穏やか系がウケている」。若い人は対人関係のバランスにナーバスになり、常に自分と他人を常に比較している焦り。老人は自らの境遇に絶望したり、失われた過去に寂寥を感じたりする憂鬱。そんなマイノリティが雪解けする展開は癒される。市野井雪が発した「ごめんなさいねあなた。私ばっかり楽しくて」という亡き夫への科白に、思わずニッコリ😄。しかしまあ読んで思ったことは、おばあちゃんというのはそれなりに可愛く描けていい。それに対して、おじいちゃんというのは頑固なだけで華がない。自分もその領域に足を踏み込んでいるので嘆息。
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