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長尾義弘「運用はいっさい無し!60歳貯畜ゼロでも間に合う老後資金のつくり方」

長尾義弘「運用はいっさい無し!60歳貯畜ゼロでも間に合う老後資金のつくり方」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B09KLF6M4S/
この本の仮題は最初は「老後資金0」だった。そのタイトルの方がインパクトがあったような気がするが、実際はこのタイトルにおさまった。老後資金に2000万円は必要と言われて久しいが、金融中央広報員会「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」によると、60歳で貯蓄の中央値は1200万円。さらには貯蓄200万円未満の人が約10%いるという。実際に老後資金に不安を抱えている人は多い。そこで本書では、60歳で貯蓄ゼロでもお金に困らず、楽しい老後を送る方法を解説する。
 実際のノウハウとしては三つのポイントがある。1️⃣セカンドキャリア(出来るだけ長く働く)2️⃣繰り下げ受給(年金の受給開始年齢を遅らせる )3️⃣支出の抑制。『なーんだ』と思うかもしれないが、打ち出の小槌など存在しないのだから、いかに収支のバランスを取ってゆくかに尽きる。本書を読んでいると70歳まで働いていても、83歳になれば資金が尽きるとある(前もって大きな財産がない場合)。73歳まで働くと円滑に老後資金が運用できるそうだ。元気なうちにすることがなくなるのも寂しいが、そんな歳まで働かなければならないかという気もして複雑な気分になる。これぞ人生100年時代のもたらした宿命である。だからこそいかに生き抜くかのノウハウや節制は必要。そういう意味で本書の一読は大いに参考になる基本の道標である。

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