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スポーツバーについて

スポーツバーに行ったことありますか?
スポーツバーとは、スポーツを観戦しながら飲食できる店舗。
野球もサッカーも無観客試合ではあるものの開幕が決まり嬉しい限りです!

今回はスポーツバーで働き、気づいたこと、失敗したことを書いていきます。自身の振り返り、備忘録も兼ねて。

スポーツバーにとってのスポーツとは?

野球、サッカー、バスケ、バレー、卓球、ラグビーなどなどたくさんの種類があり、
そして、各ジャンルのリーグ戦、世界大会、オリンピックなどなど大会も多数あります。

僕が勤めていた時、1番集客力が高かったのはサッカーでした。
当時はまだバスケットのプロリーグも始まっておらず、ラグビーワールドカップでラグビー人気も高まる前。

サッカークラブチームのホーム競技場から徒歩30分圏内という立地の影響が強いのは確実ですが、他のスポーツを観たいという問合せ自体が圧倒的に少なかったです。

サッカーと言ってもJリーグ、日本代表戦(男子/女子)、海外サッカーとあり、さらに海外サッカーの場合どこの国のチームのサポーターなのかと細分化されていきます。

オープン当初、深夜に放送される海外の試合も放映していましたが、予約をドタキャンする方も多く(深夜なので、試合前に寝てしまったり、気が変わってしまったり、だと予想)、途中でやめました。

となると、力を入れるべきは国内リーグと日本代表戦です。

ホーム戦とアウェイ戦

Jリーグ ホーム戦の場合。
店舗の立地が競技場から近ければ、サポーターの方は現地まで応援へ行くため、試合中の店舗への来店はほぼありません。
試合チケットがすぐ売り切れてしまい、現地に行けない人があふれた時くらいです。

その分、試合終了後、応援から帰ってきたサポーターの方で一気に満席になり、一気にオーダーが入り、営業がまわらず、料理が遅延し、クレームが発生するという地獄が生まれます、、、。

開業する前に立地によってお客様がどういう流れで来店されるか、それに対応できるメニューや設備、オペレーションを考えておくことが大事です。
ここをしっかり考えられていなかった自店はオープン後3年ほど、メニューを絞ったり、スタッフの数を増やしたり、ずーっと試行錯誤しなければいけませんでした。

Jリーグ アウェイ戦の場合。
試合開催場所が日帰りで行けるような近隣の県だった場合、みなさん現地へ応援に行ってしまうため、満席にはなりにくいです。
試合会場が遠方になればなる程、満席になる率は高くなっていきます。

また、稀にクラブチームがパブリックビューイングを行うことがありますが、その影響もモロに受けます。個人店より公式がやはり強いです。

日本代表戦の場合。
大会と対戦相手に左右されます。
ミーハーの方も多く、ある種お祭りのような感じ。試合をみんなで観てワイワイ盛り上がりたい方が多く、そういう方はガンガン注文してくれる印象です。

観戦営業の料金システム

だいたいの店舗では通常営業の時と異なり、
チャージを設定したり、観戦パックなどの料金プランを用意していると思います。
残念ながら、普段通りにご案内すると観戦中約2時間の滞在でソフトドリンク2杯だけ、みたいなお客様がいて売上が立たないからです。

僕の店舗も実際そのために、料金プランを何度か変更しましたし、ただ単に安く観たい方は来ないで下さいとSNSの店舗アカウントで発言したこともあります。

観させてもらっているんだから、たくさん注文しようと思ってくれる神のような方もいますが、出来る限り安く観たいという方もいます。
土地柄によってサポーターの気質が違うことも考えられます。僕もどういう方が多いか営業しながらつかもうとしていました。

サポーターの方に普段使いしてもらうために

開業時、上司はたぶん近隣にサポーターがたくさん住んでいるし、競合店もないから、毎日たくさんのサポーターが来店してくれるはずだと思っていたのだと思います。
しかし、蓋を開けてみると、ほとんどのサポーターの方は試合がある時しか来店しません。

スポーツバーとうたい、クラブチームのフラッグを大々的に掲示していたことにより、サポーター以外の方が来店するハードルも高く、試合がない日も閑古鳥、、、。

観戦に来たお客様に「料理も美味しかったし、スタッフもいい人だったから、サッカーの時はまたここに来ます。」と何度も言われました。普段使いではなく「サッカーの時は」と限定されてしまう。お客様の第一の目的は「試合を観ること」であり、「飲食すること」ではないのです。

普段使いもしてくれる常連様になってもらうためには、コミュニケーションを取って仲良くなりスタッフに会いに来てもらうなど、試合を観ること以外の動機を持ってもらうしかなかったなと今なら思えます。

どのお客様を優先するか

ご来店されるお客様は、試合の時に来店されるサポーターの方と普段使いしてくれるサポーター以外の方にざっくり分けられます。


空席があってもサポーターの方が半分くらい席を埋めていると、サポーターではない方は場違い感を感じ、入店を見送るお客様も少なくありません。

客単価を比較すると、自店は普段使いの方4000円>サポーターの方2800円という感じでした。

ここで大事になるのが、店舗の軸です。
スポーツバーとしてサポーター優先で運営していくのか、スポーツの放映をやめて普段使いしてくれる方を優先するか。
数字だけ見れば後者ですが、当時の僕の店舗は、両者の美味しいどこ取りをしようとして中途半端になり、二兎追う者は一兎も得ず状態となりました。

出来て欲しいスポーツバー

このような経験を踏まえて、
各クラブチームがオフィシャルのスポーツバーを運営した方がよいのではないかと思います。

グッズ販売や激励会・握手会などのイベント、地域の商店街とのコラボ企画などでオフシーズンも飲食以外の売上が見込めたり、選手がメニュー開発に関わったり、選手の好物を取り入れたりして商品価値を上げ、商品単価も上げられると思うのです。

なので、今年フロンターレ公式のフロカフェがオープンしたことは個人的にとても嬉しいニュースでした。

最後に

スポーツバーで試合を観戦する方は、しっかりお店にお金を落としてあげて欲しいし、試合がない時でもお店を利用してあげて欲しい。
コロナ禍により、応援経済という言葉も出てきましたが、本当にその通りだと思います。

大事な場所にはお金を落とす。
推しは推せる時に推す。

数年前、バルセロナのカンプノウで試合を観戦した時、老若男女のサポーターのエネルギーが凄まじく、衝撃を受けました。

Jリーグも地域の人々とより強固に繋がり、もっと盛り上がり、海外に負けないほどの文化になっていって欲しいと思っています。

(※記載したこと全てのスポーツバーに当てはまるワケではありません。立地や地域色に左右されるところは多々あると思います。ご了承下さい。)

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