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私の物語 2023/1/9

 新年早々、神社に出かけ引いたおみくじは大吉だった。
仕事、失物、恋愛、転居、金銭、全てにおいて「よし」と書かれてあったのだが、
私は今悩んでいる。

 まず、正月明けに風邪をひいて気が滅入っているのもあるのだろうが、頭の中をネガティブな感情で埋め尽くされていて、明日から無事にいつもの「私」で生きていけるのか不安な気持ちだ。
 気がかりなことは、まず明日からの仕事を4日間やり切れるのかどうかということ。今年からチーム異動の辞令があり新しい環境となっている。まあ、チームが変わったところでやることは特に変わらないのだが、周囲の人たちは「新しいチームで軌道に乗り、売上を支える存在になってほしい」とおそらく思っていることだろう。この3ヶ月で売れなければ「ハイパフォーマー」の称号は「元ハイパフォーマー」に降格するようなものだ。周りの社員から「今はもう売れなくなった人」と思われるのは癪だが、そこまでハイパフォーマーであり続けたい気持ちも持てていないのが正直なところ。上司からは「ここ数ヶ月、あなたに目標を持たせてあげられず申し訳ない。でもこの3ヶ月で変わってほしいと思っている。一緒に変わろう」と言われる。こんな私にここまで謙って関わってくれる上司には心から感謝しなければならない。
 年末年始はリフレッシュできたので、自分なりに前向きな気持ちを持って仕事をしたいと思っていたが、なぜかその言葉をもらってやる気が削がれてしまった。幼い頃に学校の宿題をそろそろやろうと思っていた頃に親が自室に入ってきて「勉強しなさい」と言われてやりたくなくなるあの感情と似ている。この感情の点と点を私の脳内で線にしてしまった自分に心底嫌気が刺す。
 だが、1日に8時間は最低仕事しなければならないのに、嫌々やるのは時間の無駄だ。どうにか自分の気持ちを前に進めたいが、どうすればいいのか。

 もう1つ、私の頭を悩ませることは、自分が好きで始めた演奏活動だ。演奏の機会を引き受けすぎてしまった。次から次へと新しい曲を攫わなければならず、仕事以外の時間はほぼここに時間を割いている。楽しくてやっていたのが、正直なところ最近は少し重荷に感じるようになってきた。こんな気持ちで音楽をやっていて良いのだろうか?スケジュールに隙間がなく(作ろうと思えば作れるのだろうが)、創作活動もできていない、ライブの計画も立てられていないという現実から目を背けている自分に嫌気がさしている。

 そんな状態なのに、私は度々体調を崩している。先月も一度発熱していたし、今年に入ってからも早速扁桃腺を負傷してしまって、せっかくの3連休を発熱(久しぶりに38.5°もでた)で水の泡にしてしまった。割れるように頭が痛くて、寝たいのに寝られないので仕方なくスマホでSNSとNetflixを行き来して、眼球疲労でまた頭痛がする。なんという悪循環だろうか。おかげで何もしていないのに身体がボロボロだ。

 SNSは元はといえば自分が気軽に大勢の人たちに情報を発信するためのツールだ。もちろん、数多いる他者の情報をインプットしたり情報交換をして自分の糧にできる利点はあるが、自分の発信がなければそこから人脈や会話が発展することもない。私が苦手としている「“自分”を伝える力」をSNSを通じて鍛えていこうと何度も決意した。だが、謙虚に威張らず置かれた場所で咲きなさいという教育を両親から受けた私は、どうしても自分のノウハウだとかを他人に伝えるということが性に合わなかった。だから、SNSで発信するということを諦めてしまった。となると、今の私にとってSNSを見る=他者の情報を垂れ流してみる、つまり消費しているだけ。これに多くの時間を割きすぎることは、今の私にはあまり良い時間の使い方とは言えない。それならせめて本を読もうと思い、頭痛に耐えながら年末に行った京都の出町座で買った短編小説を読んでいた。小説を読むのは久しぶりだ。

 小説を読むのはいつぶりだろう、おそらく大学生ぶりのような気がする。思えば社会人になってからは、ビジネス書ばかり手に取っていた。小説を何ページか読んで私は脱帽した。小説の内容についてというよりも、私たちが日々生活をしていて気がつかないレベルの物や事をこんなにも美しい日本語で言い表せる人がいるんだな、ということ。何かにつけて言語化することや語彙力が足りないと言われてきた私。言い表せなくたって、頭や心には確かにあるんだから別にいいだろうと思っていたけれど、私が毎日生きる中でふと感じたあれこれを言葉にできたら、なんというか、人生楽しくなりそうだ。そこで私は小説のような形式で今この記事を書いている。三日坊主の私だけれど、少しの間だけでも続けてみたい。まだまだ頭痛は続くが、今からは少し起き上がってピアノの練習をすることにする。

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