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ダイエットしたいあなたへ:科学論文からのヒント

忙しさにかまけて、ずいぶんnoteへの投稿をさぼっていました。

昨日、いしかわゆき氏の「書く習慣」という本を読みまして、次の一文が胸にささりました。
「あなたが過去に書いた記事やツイートが不特定多数の人に読まれて、勝手に働いてくれているんだよ」

この本を読んで、シェアした文章は、自分が消さない限り誰かの目に触れる可能性があり、もしかするとそれは誰かの役に立つかもしれないという初心を思い出しました。
改めてアウトプットの大切さを感じましたので、久しぶりに記事を書きたいと思います。

さて、今日は、「肥満者のダイエット」について、古くて新しい話題の論文で学んだことをご紹介します。

最初に結論を申し上げますと、私のメッセージは、「肥満を改善したい方は、まず大盛りで食べる頻度を、大きいビールやスイーツのサイズを、食べ放題を、あなたの食生活から1回でも2回でも減らしていくことからはじめてみませんか。」というものです。

それが出来ないから困っているんだ!と聞こえてきそうですが、少しだけ我慢して読み進めていただけると嬉しいです。

では、詳細に移りましょう。
基本的に、ほとんどの肥満は、食べ過ぎと運動不足が原因ですので、それらを改善することが基本的な治療になります(誰でも知っていますね)。
しかし、そうはいっても、私たちの生活習慣を変えることはとても難しいですよね。
だから、科学の世界では、同じ減量をするにしても、より効率的な方法や、簡単な方法がないかということが議論され続けているのです。
たとえば、低炭水化物ダイエットや、XXXダイエットというのがそれです。

最近では、食べる量よりも食事時間の間隔を改善しましょうという「時間制限食(time-restricted feeding)」という考え方が注目されています。これは、1日に食べる時間を4ー12時間だけにしましょうというものです。
たとえば、朝食を7時に食べた場合、最後の食事は19時までに終わらせ、それ以降は食べないという感じでしょうか。
しかし、時間制限食については、強固で十分な証拠が出そろっていません。

そのような中、今回ご紹介する論文は、食べる時間(時間制限食)ではなく1回に食べる量こそが減量に関係しているということを、547名の方を対象にした縦断研究(6年間フォローして体重変化を観察した)で明らかにしました。

結論として、1回あたりの食事で、大(1000 cal以上)または中(500~1000 kcal)のポーションサイズの料理をよく食べる人は体重が増加しており、小さいポーションサイズ(500 kcal未満)をよく食べる人の体重は減少していました。
つまり、1回の食事量が少ないということが減量に影響していることが、質の高い研究で改めて示さたのです。一方、食べる時間(時間制限食)は減量と関連していませんでした。

冒頭に紹介した、今回の論文を読んだ後の私のメッセージを繰り返しますね。
肥満を改善したい方は、まず大盛りで食べる頻度を、大きいビールやスイーツのサイズを、食べ放題を、あなたの食生活から1回でも2回でも減らしていくことからはじめてみませんか。

論文の出所はコチラ
Di Zhao et al. Association of Eating and Sleeping Intervals With Weight Change Over Time: The Daily24 Cohort, Journal of the American Heart Association, 2023

最後までお読みいただきありがとうございました。


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