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医療に頼らない健康維持に関する山形県への施策提言

今回、山形県議会子ども支援・健康長寿対策特別委員会にて、私の提言として提出したものを掲載します。

凡例:「・」=現状・課題 「→」=施策提言

・世の中には健康に関する情報があふれ、どれから手をつけていいかわからないし、優先順位もわからない。健康にいいと言われることを全てやろうと思うと、健康維持だけが目的で生きなければならない人生になってしまう。そのためによほど健康に気をつける人と全く気にしない人が二分してしまう。
→極端な「健康オタク」をつくるのではなく、多くの人からちょっとずつ健康に関する努力をしてもらう必要がある。そのために、健康医療の専門家と協力し、数ある健康への努力から、「これだけは気をつけましょう」というものを優先順位の高い順に抜粋し(例えば減塩や水を飲むことや身体にいい食品など)、山形版「健康八策」のような形でまとめ、県民運動を推奨すること。

・「笑う」ことは、非常に健康に良い影響を与えることが言われている。
→他県でも例があるように、「笑いの日」を設定して、その日は笑うことを県民に推奨し、芸能界などと協力して、様々なお笑いイベントなどを開催すること。また、「一日一笑条例」のような理念条例を作り、笑うことが健康増進となることを広く県民に知らしめること。

・例えば糖尿病などは、遺伝的要因と生活習慣によってもたらされる2型の患者が95%といわれ、まだ糖尿病と診断されないがもう少しで糖尿病になってしまう予備軍が多数いる。こうした予備軍の方には、毎日健康に関するメールをもらったり、本当にちょっとした運動をするだけで、大きな効果があったという。糖尿病に限らず、未病の段階でほんのちょっとの努力をすることが重要である。
→「健康推進企業」のようなものを認定し、ロータリークラブやライオンズクラブ、青年会議所、商工会議所・商工会などと協力しつつ、職場でちょっとした運動(例えば自転車通勤やウォーキングの励行、社内へのジムの設置など)を推奨すること。
→食事や飲酒や減塩に関し、無理のない努力目標を提示して県民運動を展開し、ちょっとした努力への達成感を味わえるような仕組み(スマホに記録が残るなど)を構築すること。→趣味や生涯スポーツが健康には大事であるため、「総合型地域スポーツクラブ」などをより充実させ、山形の自然を活かしたレジャースポーツを励行すること。

・県議会では歯の健康に関する条例を制定したが、歯は健康にとって重要である。
→かかりつけ歯科医をもって、定期的な検診とブラッシングを励行すること。また、職場などでの集団健康診断などに歯科も加えるような流れをつくること。

・とくに高齢者は、出かけること楽しむことが健康にとって重要であるが、足が弱くなったり免許返納で車が運転できないために出かけることが億劫になり、健康を害する場合が多い。
→ユニバーサルツーリズムを推進し、高齢者でも障がい者でも気軽に旅行に行ける環境を整備すること。また、透析患者などは二日に一度の透析のために長期の旅行が難しいが、旅館ホテル近郊の病院と連携し、透析を行いつつ旅行ができる、あるいは山大の重粒子線がん治療など、医療機関と連携した医療ツーリズムを推進すること。
→電動車いすなどを活用し、高齢者で足が弱くなっても移動が楽になるような環境を整備すること。また、自動運転や運動支援ロボットHALやドローンなど、新技術を活用して、誰もが出かけやすい社会づくりをすること。※国への要望

・健康寿命を延ばすためには予防医療が重要となり、その分野はDXにより劇的な変化があるだろう。例えばスマホやセンサーにより、脈拍などの身体の情報、運動の量、食事のカロリーなど、あらゆる健康データを常時とることが可能である。これをもとに健康的な生活を送る世の中に確実になる。また、自己のデータを納得の上で提供(オプトイン)すれば、医療費が安くなったり、健康的であるほど保険料が安くなったりというサービスが増えていくだろう。
→現在ウォーキングの励行事業では、紙媒体での事業展開となっているが、すでに時代に合わない。行政での健康増進事業こそDXしていくべきである。また、スマホやセンサーを活用し、普段から健康的な生活を行えるような体制を、国と連動しながら整えること。※国への要望

・自分の身体がどういう病気にかかりやすいか知っておくことによって、予防医療はかなり進むと思うが、慶應義塾大学先端生命科学研究所では、血液から相当精密に個々人の傾向を読み取れる技術を開発したやに聞いている。
→せっかくの地元の研究所と連携しつつ、県民がデータを提供して研究を進め、データ提供した人は健康でいられる、というWin-Winの体制をつくり、県民の健康作りとともに、健康ビジネスを山形から革新する未来を創ること。

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