5 県民のニーズに対応したオンライン診療について R5.2月定例会一般質問⑤
DXについて私は何度か質問してきましたが、DXは健康医療分野に親和性が高いと考えています。特に予防医療においては、パーソナルな生活記録をディープデータとして蓄積し、個々人の健康維持と同時に製薬や治療法の開発といった医療全体の進歩にも寄与していくことでしょう。山形県は地元に慶應義塾大学先端生命科学研究所があり、最新のバイオ技術が生み出されています。国の動きとあわせて、ぜひ県民の健康長寿に向けて健康医療DXを推し進めてもらいたいところです。
そんな中、今回はオンライン診療について伺います。
県では昨年、へき地診療所と病院を結んでオンライン診療を行うモデル事業を、真室川・西川両町で開始したという報道がありました。医療の過疎地において、人材不足をカバーする取り組みとして非常に素晴らしい取り組みです。今後ぜひこうした取り組み範囲を広げてもらいたいと思います。
また、これは過疎地だけの問題ではないと知らされたのが、天童のある母親の方からの相談でした。お子さんがぜんそく気味だそうなのですが、薬が無くなりそうになって小児科に行こうにも予約がいっぱいで、コロナ禍ということもあって待合所で待たせてももらえず、予約者のみしか診断できない、とのことで、どの病院にもかかれずに困っているという相談でした。これには、行政サイドからなかなか解決策を思いつかず、答えに窮してしまいました。
しかしこれも、オンライン診療の幅が広がれば解決できるのではないでしょうか。急性の疾患ならともかく、慢性的な疾患でカルテもあるならば、必ずしも病院や診療所に行かなくても、自宅と医者を繋いで診断し、処方箋を出せばいいのではないでしょうか。
そう考えると、電子的な処方箋の発行と、薬局と病院のネットワーク構築、かかりつけ薬局といった課題も見えてきます。電子的なお薬手帳も重要でしょう。
もちろん、在宅介護における診療とも大きく関わってきます。
こうして考えると、へき地医療、慢性疾患の診断、在宅医療等、様々な場面でオンライン診療は今後ますます求められますし、同時に薬局や介護施設とのネットワーク化や処方箋やお薬手帳の電子化など、解決すべき課題は多岐にわたることがわかります。
オンライン診療で対応できる疾病や病状には自ずと限界があると思いますが、法律などによる国の規制が壁となる部分も多いのではないでしょうか。
医師不足の地方において、オンライン診療の重要性が増していくと考えられる中、今後、医療分野でのDXの一つであるオンライン診療について、健康福祉部長の考えを伺います。