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読書「海のグレートジャーニーと若者たち」 関野吉晴 著  武蔵野美術大学出版局 世界を巡る/若者はこれを越えて欲しい

1 本書との出会い
 関野さんのオリジナルの「グレートジャーニー」に関する講演を写真業界のイベントで一度聞きいたことがあり、関野さんが美大の先生?いったい何しているの?その答えを求めて読みました。

2 本書の紹介
 関野さんは南米からアフリカまで、人類の祖先が辿った道を自力で移動するアドベンチャーを成し遂げた人です。若いころはお医者さんとして、病院に勤めながら、アソベンチャーを達成されている、超人ですね。
 本書は、インドネシアから日本までを動力を持たない船(舟と書くべきか)で移動するドキュメントなのですが、書かれているのは航海でなく、舟の制作過程と準備です。必要な斧などの工具は、砂鉄集めから始めて昔ながらの鍛冶で造ります。帆・綱、航海用保存食、全て同じスタイルで調達です。学生さんは、それぞれが準備を担当したり、ドキュメントの映像を撮ったり、いろいろと活動したようです。彼らの卒業後の生き方も描かれています。

3 関野さんを越える
 関野さんが若いころに勤務した病院が調布市にある縁で、市が時々、講演を依頼しているようです。昨年、市報で講演に気づき参加しました。会場は駅前の小さなホールで、平日昼間の講演なので、聴講者はほとんど高齢者でした。このような講演、美大生さんに感動を与えたように、広く、若者に向けるべきだと思います。小さな種をまいておくと、一人二人と、ミニ関野さんが現れ、そのうちに、関野さんと肩をならべる、なんらかの取り組みをする人が現れ(対象はアドベンチャーに限らず)、もしかしたら、関野さんを越える人が現れるかもしれないです。

 私が、学生時代に関野さんの講演を聞いていたら、どうだったか?同じ方向には向かわなかったでしょう。電子工学なんて堅いことを勉強し、企業に入り働くことを疑わなかった自分でした。それでも悔いはなく、研究開発で、組織に所属しながら小さいですが、新しい物を作りだせました。
 ただ、今はそんな時代でないです。今の若者は、個性を活かし、人によっては、小さな組織を作りながらやっていくべき。若者、頑張れ!

写真1 城ケ崎の海岸、私も時々海に行きます
写真2 本書の表紙(著者撮影)

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