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2020年:インターネット広告業界、仕事、そして自分

2020年、誰にとっても変化の激しい一年になったと思います。
もはや何があったかは言うまでもないですが、そんな2020年を、インターネット広告業界と仕事、そして自分へと振り返っていきます。

2020年のインターネット広告業界

インターネット広告業界においては、例年以上に激しかったかと思います。

・IDFAのオプトイン化
・本物/偽物のDXが広がる
・OMOの流れ
・DOOH、TVCMなどが加速

特にIDFA。
いつか来るとは言われていたものの、今まで常識としていた大前提が崩れ去るようなニュースでした。
しかもこれが、コロナ打撃の時期に来るという二重苦。

ただポジティブに捉えると、世間一般にとってのコロナと同じく、アドテク業界においても強制的に変革をもたらしたニュースだったといえます。
その結果、DOOHやTVCMなど、いままでなかなか進まなかった領域が少しずつ動き出しました。
またインターネット関連企業が数年前から別領域の事業軸を作っていく中、インターネット広告関連だけで頑張ってきた企業、DXやOMOの波に乗ってついに新しい事業領域にチャレンジしています。
弊社(ジオロジック)もこういった流れの中にいました。

インターネット広告業界は今までAppleやGoogleの仕様に振り回されたり、GAFAを中心とするプラットフォームの寡占に苦労している、脆さがあったような印象でしたが、この変化の中、それぞれの企業としては反脆さができてきたのではないでしょうか。

2020年のジオロジック

そんな中で弊社も例にもれず、インターネット広告から片足飛び出したような領域に進出しました。

@予約
https://www.at-yoyaku.net/

LINEミニアプリを使って来店予約するサービスですが、LINEがミニアプリを一般公開してからわずか2ヶ月でリリース、展示会に出展しました。
まぁ大きい会社で十分な体制が組めれば余裕なのかもしれませんが、企画から始まっているので、実際の設計開発期間はおよそ1ヶ月。
さらに開発体制は藪本(PM)含め3名でした。

要件をわずか1週間で固め、2週間で開発、残りの1週間でテストリリース。
残業こそ少し増えたものの徹夜などの無理をせずにやり遂げたのは、PMの立場から見ても圧巻でした。
このときのチーム状態は、この記事における「主人公化」ができていたと思います。
狂ってるほどモチベーションが高く、強烈なチームワークが生まれていました。

さらに11月に、開発とビジネスサイド合同で山梨の奥地に行き、@予約プロダクトチームの合宿を行いました。

ここからすべてが変わりました。
開発チームだけでなくプロダクトチーム全体でビジョンが固まり、主人公化に近い状態までチームが進化しました。

まだまだプロダクトとしてはこれからですが、かつて無いほど強力なチームができつつあります。
2021年、@予約はまた新たな展開をしていきます。

2020年の開発組織

2020年、開発組織の規模としてはそれほど大きな広がりはありませんでした。
これは、まぁどの会社も同じような悩みを抱えているかと思いますが、例にもれず我々も採用がなかなかうまく行きませんでした。
同時に、ジオロジックはこのようにコロナ下でも伸ばしていますが、それでも実店舗を持つクライアントを相手にする以上はどうしても影響があります。
そんな中、人事に思いきった投資ができていなかったんだと思います。

しかし、既存の開発チームの成長に関しては、大きな一年だったと思います。
初期は広告事業一本の開発体制から、全体の規模をほとんど変えずに、@予約チームを作って怒涛の開発をやり遂げられるようになりました。

さらに、この立ち上げ期間中に藪本が1ヶ月育休を取得しました。
とはいえ既定路線で進められる1ヶ月だったため、明確な影響は少なかったですが、顕在化していない問題はいくつか出てきました。
そこからチームの伸びしろが見え、その課題を各メンバーも自覚した部分もありました。
明確な影響少なく、次の成長に繋げられる、よい機会だったと感じています。

ここまで流れ的に広告事業のことはあまり書いていませんでしたが、広告事業の開発チームも、@予約チーム分割後に大きな機能をいくつかリリースしています。
チーム分割後、広告事業の開発チームはPM未経験者がPMに就任しましたが、広告事業はまぁ、えげつないほどドメインが巨大で、要件も複雑です。
これには新PMもなかなか苦労していますが、徐々に、着実に、プロジェクトをコントロールできるように進化しています。
今まではひとつの事業だけでしたが、複数事業、複数チームに分割してもチームとして回るような体制が組めるようになったのは、次の組織拡大に向けて、ものすごく大きな収穫だと感じています。

2020年のその他の仕事

2020年、僕自身は少しずつ登壇等の露出を増やすようにしました。
これは特にエンジニア界隈に、ジオロジックの知名度を向上させたいのと、自分の技術や考え方を晒して、言語化して、定着させたいためです。

元々ブログとかも書いてないし、発信が少なかったので、大した数ではないですが、CTOという肩書を活用して、いくつかのイベントで登壇させてもらいました。
シュウマツワーカーさんのイベントAdTechnology Meetup、そして一番大きいのはScalaMatsuri2020などです。
特にScalaMatsuriなど、資料作成で知識の穴に気づいたり、今までふわっとしていた部分の言語化が進んだりしたため、かなり良い経験になりました。
本当によい機会をいただけてありがとうございました。
この動きは、2021年も続けていきたいです。

2020年の自分自身の成長

ここからは本当に個人的な内容になります。

2020年、技術的には、ScalaMatsuriでお話したデータエンジニアリング領域や、新規事業立ち上げた要件分析力が成長したと感じていますが、
今年一番成長できたなぁと思うのは、推進力だと感じています。
まだ何もないところから、戦略、チームとロール、要件などの要素ごとのストーリーをつくり、頭の中で整理しておき、話し合いながら補正したり、場合によっては誘導したりする力がついたのではないかと感じています。

例えば登壇などで他人に説明するときにストーリーや技術の抜けがないかを精査したり、新規事業を急立ち上げしたり、チームの状態を俯瞰的に捉えて打ち手を考える機会があったり、そのあたりが大きく寄与したのではないかと思います。

おそらくこの推進力は、自分の枠を飛び越えて、大きな流れの中で、自分や組織、あらゆるものを俯瞰する視点が身についたことによって、自身を持ってどうすべきか理解できるようになったんだと思います。
この視点を理解したのは2019年末だと感じていますが、それが今年一年かけて、ようやく身についてきたんだと思います。
これによって、より抽象的な場面で、なにが正しいかを考えられるようになったのだと思います。

そして次のステージに上るために、いまの段階で自分が囚われているもの、すなわち限界が何なのかも見えてきました。
小さな世界(仕事の仲間や家族等)という言葉が最も近いと思いますが、これがネガティブに作用するのを観測しました。
もちろん仲間や家族はいちばん重要な存在です。
これを捨てるのではなく、囚われずに包んで超えられる器ができれば、きっと次のステージに行けるんじゃないかと感じています。

ここ数年、ジオロジックに来てから、自分としては毎年、常識を覆すような成長を遂げているように感じていますが、特に2020年は、明確に自己の脱構築サイクルを感じられたんじゃないかと思います。

現在のステージはかなり幅広く大きなステージだとは思っていますが、次のステージへの道筋が見えるところまで進むことができたのは、社会的だけではなく個人的にも非常に大きな環境の変化があったからだと感じています。

2020年のプライベート

2019年末に、人生で2度目となる結婚をしました。
とはいえ、同年4月ごろから、相手の連れ子と共に同棲していたため、結婚自体での大きな環境の変化はありませんでした。

しかし、2020年3月に奥さんが妊娠し、9月に娘が生まれました。
これがなかなかの難産で、序盤は切迫流産、終盤は切迫早産と、妊娠の半分以上の期間、絶対安静を指示されていました。
そのため、家事や娘の面倒を見つつ仕事もする必要がありました。
正直コロナでリモートワーク中心になったのは、個人的には非常にありがたかったです。

9月に産まれた際も早産で、出産と同時にNICUに入院しました。
育休に入る前でしたが、ほぼ毎日、車で片道40分ほどかかる病院に行っていました。
それでも10月中旬には退院し、今では早産などなかったかのように健康で、よく寝る手のかからない子になっています。

さらに、今年戸建てを購入しました。
引っ越しは2021年の1月です。

そのような大変な中でも、4回も山に行ったり、、、

・5月に丹沢表尾根縦走(日帰り)
・6月に金峰山(日帰り)
・7月に常念岳と蝶ヶ岳(テント1泊)
・11月に蛭ヶ岳(小屋1泊)

1年かけて弾いた難曲、メンデルスゾーンの厳格なる変奏曲で、11月に発表会に出たりなど、自由にいろいろとやらせてもらって、家族には感謝しています。

プライベートも激動の一年でしたが、家庭の問題もなく、この上なく幸せな一年だったと思います。

総括

2020年はコロナだけでなく業界的にも大きなインパクトのあるニュースがあり、まさに自分たちが影響を受けました。
たしかに状況だけを考えれば非常に悪い一年だったと思います。
しかし、そこから変化に対する反脆さを手に入れ、進化するための地盤を構築できた一年だったと思います。

そしてプライベートでも大きな変化があり、とても大変で、責任も増えましたが、何にも代えがたい幸せな一年でした。
2021年になれば、現時点で見えているプライベートの変化は落ち着いてきそうです。
しかし走り始めた新規事業は、2021年また大きな転換を迎えそうですし、エンジニアだけでなく会社組織が大きな転換期を迎えています。

確実に、2021年も激動の1年になりそうです。
しかしきっと、事業的には2020年より、ずっともっといい年になります、というかします、出来ると思います。
2020年は、激しい社会情勢や市場の変化の中で進む方法を見定め、それに見合った成長を遂げられたと思います。
2021年は見定めた方向に走り、事業と自身の成長を遂げていきたいと思います。

本年は大変お世話になり、どうもありがとうございました。
来年も、どうぞよろしくお願い致します。

よいお年を。

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