見出し画像

台湾 マンション 預售屋

はじめに


「預售屋」
とは、建物の建設がまだ完了していない段階で販売される住宅のことを指します。つまり、まだ建物が建設前もしくは建設中であり、完成前に販売されるため、購入者は将来の完成を待つことになります。預售屋は、一般的には新築分譲マンションの形態であり、購入者は建物の完成や引き渡しを待つ間に、頭金や契約金を支払い、物件を確保します。預售屋を購入することにより、購入者は新しい住宅を手に入れる機会を得ることができますが、完成までの期間やリスクも考慮する必要があります。

今回はその「預售屋」の購入検討から引渡し完了までのおおまか流れについてご紹介したいと思います。


預售屋全体の流れ


1)事前調査

まずはインターネット等を使って下記情報を調べます。価格等は各種不動産情報サイト等で簡単に確認できます。

部屋の間取り、周辺環境、交通手段の確認
デベロッパーの評判、周辺案件の価格の調査

また下記のような口コミサイトもあります
https://www.mobile01.com/


2)販売センター等の見学

具体的な案件候補が決まってきたら、下記内容に沿って販売センターや建設予定地の確認を行います。

・朝晩等時間を分けて敷地周辺状況の確認
・具体的な間取りの確認
・1フロアあたりの個数の確認及び1エレベーターあたりの戸数確認
・建築模型にて外観及び周辺施設の確認
・土地の用途地域の確認
・公設比率の確認

3)購入予約手続き

台湾では正式契約前に「紅單」と呼ばれる予約申込を行います。またその際には予約金を支払います。この手続き完了後はデベロッパーは勝手に他の購入者に該当住戸を販売することができません。また購入者もこの「紅單」を別の第三者に転売することはできません。

4)売買契約の締結

上記の予約申込完了後もしくは同時に正式な売買契約手続きに入ります、
しかし、台湾では売買契約手続き完了後「審閱期」という期間(5日以上)を経過しないと正式な契約は成立しません。

また上記の「審閱期」は下記の3つを目的に制定されています。
 1.買い手の保護
 2.不当な契約条件の防止
 3.投機的な取引の抑制

そして、別の記事でも紹介しましたが契約設立後30日以内にマンション販売価格の実価登録を行わなければなりません。

5)客変

以前にも別記事で紹介しましたが台湾の預售屋ではデベロッパーが指定した期間において、間取りや設備関連の位置及びスペック等の変更を受け付けるサービスがあります。変更できる内容やそれにかかる費用等は各案件ごとに異なってきます。この変更を行うことによって住戸購入者は比較的低いコストで予め自分好みの住戸プランに変更した状態で引渡を受けることができるようになります。

6)工事途中代金の支払い

購入住戸の支払いは大きく分けて工事途中と使用ライセンス取得後の2つの時期に行います。一般的には工事途中に支払う代金は総額の15~20%の場合が多いです。これらは銀行ローンではなく自己資金で支払う場合がほとんどかと思います。
また、工事途中に支払う代金の支払時期に関しては大きく分けて下記の3通りが採用されています。
 1.工事の進捗に合わせての支払い
 2.構造体完成時にまとめて支払い
 3.毎月支払い
一般的には1番が採用されることが多く、着工時、1階床打設時、上棟時等の3段階に分けて支払われることが多いです。
また、これらの代金は消費者保護のために設定された信託口座に入金されデベロッパーが持ち逃げできないような仕組みになっています。

信託口座については日本にはない仕組みですので、また別の機会にご紹介できればと思います。

7)使用ライセンスの申請

建物が完成すると、デベロッパー(建設会社)は使用ライセンスの申請を行います。デベロッパーはこの時期から内覧会等の引渡のための準備を開始します。

8)銀行対保(住宅ローン手続き)

デベロッパーが使用ライセンス許可を取得後、購入者へ「銀行対保」を始めるよう要求します。具体的な手続きは下記になります。

・住宅ローン申請手続き:
 購入者は自分で選んだ銀行またはデベロッパーと提携している銀行を選んで申請を行います。

・身分確認と契約内容の確認:
 銀行は購入者の身分を確認し、ローンの種類、金利、返済方法などの契約関連内容を確認します。また、銀行と購入者は「支払同意書」に署名し、住戸の所有権移転後にデベロッパーへの支払代金を銀行が提供することを同意します。
ちなみに台湾ではこの段階でローン審査が通らなかったりすることもあります・・・。

9)税金の支払及び所有権の移転(過戶)


建築が完成した後、不動産の所有権が購入者に移転します。購入価格の残りの支払い(交屋保留款を除く)がこの時に行われます。また、所有権移転手続きは使用ライセンス許可取得後4か月以内に完成させなければなりません。

10)内覧会(驗屋)

購入者による引渡前の竣工検査を行います。この時に施工品質の確認や客変内容通りに変更されいるかどうか等を確認します。
購入者によっては驗屋専門業者に検査を依頼して検査を行います。
検査費用は検査項目にもよりますがおおよそ1.5万元前後と言われています。

11)引渡(交屋)

内覧会時の指摘事項の補修及び確認完了後に引渡手続きを行います。その際に最後の「交屋保留款(購入価格の5%)」を購入者は支払います。

「交屋保留款」とは下記の内容を目的に販売契約書内に定められています

・契約履行の確保: 買い手が建物の完成や引き渡しを受ける前に一部の購入代金を保留することで、売り手による契約の履行を確保します。完成前に問題が発生した場合、買い手は保留された金額を差し押さえることができます。
・品質保証: 交屋保留款は、建物の品質や仕様が契約通りであることを確認するための手段としても機能します。引き渡し前に買い手が建物を検査し、問題がある場合は修正を求めることができます。
・買い手の保護: 買い手が預かり住宅の購入代金を全額支払うことなく、建物の完成や引き渡しを待つことができます。建物の引き渡し時になって売り手が契約に違反した場合、買い手は保留された金額を返還するか、補償を受けることができます。

12)管理委員会の設立

専有部住戸の引渡がおおよそ完了するとデベロッパーの協力の元、マンションの管理員会を設立します。その際、マンションの管理規約等も一緒に制定されます。管理委員会が設立されたらマンションの管理はデベロッパーから管理員会へ引き継がれ引継ぎ後のマンション管理・警備費用及び公共エリアの電気水道代等も管理員会の方で支払を行うことになります。したがって一般的には購入者もマンション管理委員会設立後から管理員会へマンション管理費の支払いを開始します。
(案件によってはデベロッパーが一定期間それらの一部費用を負担する場合もあります)

13)公共エリア引渡

管理委員会設立後から公共エリアの引渡前の竣工検査を行います。
公共エリアの検査も最近では専門の検査業者に依頼して行われることが多いです。検査結果を踏まえて補修及び補修完了確認後に引渡手続きが行われます。この手続が完了して初めて購入者の人たちは各種公共施設を利用することができるようになります。

まとめ

今回もChatGPTを中心に各種AIに手伝ってもらいながら内容をまとめました。私個人の頭の整理も兼ねて書いていますので、内容に間違いがあるかもしれませんがご了承願います。
2023年5月現在、台湾では依然としてマンション価格が上がり続けています。(建設コストも上がり続けていますが・・・)ですので、上記内容以外にもマンション価格高騰を抑制する政策が次々と出てきており、それに追付くために日々アップデートしなければならない感じです。
今後も引き続き台湾のマンション関連情報をご紹介できればと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?