見出し画像

台湾 不動産取引実価登録制度

不動産取引実価登録制度(不動產交易實價登錄)

台湾の「不動産取引実価登録制度」(略して実価登録)は、不動産取引に関する情報を申告し、その情報を一般に公開するための制度です。これにより、不動産市場の透明性が向上し、公平な取引を促進することが期待されています。また、実価登録のデータは、不動産取引の傾向や価格を把握するための重要な情報源となります。

具体的には、各種不動産(土地や建物など)の取引価格や取引条件、物件の特性(例えば建物の年齢や主要用途など)を記録し、これらの情報を一般に公開します。これにより、不動産取引に参加するすべての人々が同じ情報に基づいて意思決定を行うことができます。

また、実価登録のデータは、不動産市場の動向を把握するための重要な情報源となります。例えば、物件の取引価格や取引件数の変動を分析することで、市場の需給バランスや価格の動向を把握することが可能になります。

したがって、台湾の実価登録制度は、不動産市場の透明性を向上させ、公平な取引を促進することを目的として制定されたものと言えます。

実価登録制定までの大まかな流れ

  1. 不動産バブルとその崩壊(1980年代後半~1990年代): 台湾は1980年代後半から1990年代にかけて不動産バブルを経験しました。その後、バブルが崩壊し、市場価格が大幅に下落しました。これは、不透明な市場情報や取引価格の公開不足が一因とされました。

  2. 實價登錄制度の提案(2000年代): 不動産市場の透明性を高めるために、政府は實價登錄制度の導入を提案しました。この制度は、不動産取引価格を正確に公開し、市場価格を現実的に反映させることを目指していました。

  3. 實價登錄制度の施行(2012年): 政府は2012年に實價登錄制度を施行しました。これにより、不動産取引の全ての詳細(取引価格、物件の面積、建物の構造など)が登録され、公開されるようになりました。これにより、市場の透明性が向上し、不動産取引がより公平で公正に行われるようになりました。

実価登録2.0

2021年7月1日に施行されました。不動産取引情報をより透明、即時、正確にするために改正されました。主要な改正点は次のとおりです。

  • 門牌・地號の完全な開示:以前は、實價登錄は区分化された地番または門番のみを公開していましたが、2.0新制度では、すべての取引情報に門番と地番が完全な状態で開示されます。これにより、不動産取引の透明性が向上し、投機や不正行為が抑止されるようになります。

  • 預售屋の完全な管理と即時申告:預售屋の売主は、建物販売開始前に建物情報を地方自治体に備案する必要があります。預售屋は、売主が直接販売するか、仲介業者に販売を委託する場合にかかわらず、契約締結後30日以内に取引価格などの情報を申告する必要があります。これにより、預售屋取引の透明性が向上し、投機や不正行為が抑止されるようになります。

  • 査定権の強化と罰則の強化:新制度では、地方自治体は当事者から関連書類や説明を求めることができるようになります。また、内政省は、疑わしい不正申告価格のケースについて、関連機関や金融機関から情報を入手することができます。また、申告期限の遵守、価格や面積の不正申告、査定情報の不正使用に対しては、3万~15万円の罰金が科せられます。また、2回違反して改正されない場合、30万~100万円の罰金が科せられます。これにより、不動産取引の透明性が向上し、投機や不正行為が抑止されるようになります。

  • 預售屋の契約書管理:預售屋の売主は、契約書を地方自治体に備案する必要があります。また、契約書には、物件の詳細情報、価格、支払い方法などの情報が記載されている必要があります。これにより、預售屋取引の透明性が向上し、投機や不正行為が抑止されるようになります。

  • 預售屋の紅單交易管理:預售屋の売主は、買主から紅單(予約注文書)を受け取る場合、契約書を締結する前に、買主から代金を受け取る必要があります。また、買主は紅單を第三者に譲渡することはできません。違反した者は、15万~100万円の罰金が科せられます。これにより、預售屋の紅單取引の透明性が向上し、投機や不正行為が抑止されるようになります。

実価登録のタイミング

上記にも記載がありますが、実価登録は、不動産の売買契約が成立した後、30日以内に行われます。売主または売主の代理人が、国土交通省の不動産取引価格情報提供サイトに必要な情報を入力し、登録手続きを完了します。登録が完了すると、不動産の取引価格情報が公開されます。

実価登録の検索

登録された情報は政府のサイトからも検索は可能ですが、民間の不動産系のサイトから検索したほうが使いやすいです。探したいマンションの間取り等も一緒に掲載されているサイトもあり、マンション購入希望者にとってすごく使いやすい仕様にカスタマイズされているサイトが多いです。

まとめ

上記はGPT-4に手伝ってもらってまとめた内容ですので、細かなところは間違っているかもしれませんが、おおよその内容はあっていると思います。
この制度ができた経緯のところにも書いてありますが、台湾政府は不動産バブルが起こらないように(弾けないように?)、色々な対策を次々と打ってきています。2023年5月現在、台湾では引き続き不動産価格の高騰及び建設コストの増加が続いています。もう既に一般サラリーマンには買えないような値段にまで上がってきてはいますが、この不動産好景気が変な方向に向かわないで続いてくれることを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?