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【小説】私という存在 #6 高校編①入学
面倒なことは切り捨て、間違いでも言い切ると正義を信じてやまなかった章大は高校選びも、その概念を覆さなかった。
担任K「どこにするの??今の学力と家から通うなら進学校のIとか?」
章大「いえ、Wにします」
担任K「???お母さんには言ったの???Wって距離的に通えないよ」
章大「いいんです。説得します。Wに行きたいんです。」
担任K「理由聞いてもいい??」
章大「僕の知ってる人が誰もいないから」
担任K「そう・・・」
今思えば担任Kの「そう・・・」にすべてが含まれていたのだと思う。逃げずに自分をしっかり持って生きていけというKの愛が今では感じることができる。。かくして強引に私は、多くの人間が行くIには行かず、Wへと進学することになった。その選択は、今でも本当に親に感謝をしている。。
高校の初日。全く誰も知る者のいないクラスの中で、ひとりの男の子が話しかけてくれた高井君だった。出席番号が章大の一つ前であり、いきなり振り返り、
「中学校どこなん???」
と聞いてきてくれた。。神様に思えた。今思えば、常に、この時も、誰かに助けられて生きているのだと。。。当時は思わないし、何にも感じなかった。。
そこから、会話が広がり、高井くんの同じ中学校の同級生たちが寄ってきてくれた。そうやっているうちに、入学式を迎えた。。。
弁が立つ・明るい・人に合わせる社会性
それを併せ持つ章大は、一躍クラスの人気者になった。最高だと思った。普通に会話していても、何も揶揄されない。相手の好みを聞き、僕の好みをしゃべる。大きな声で笑い、時に喧嘩もした。これが本当の社会なのだと。。。自分自身が「大切な物」であるということを感じることができ、その副作用で、きっとほかの人も大切にできたんだと思う。お互いの思いやりの心をもって接することができた。。
22年たった今でも、ずっと仲良く、時に数時間電話をしてたわいもない話をする友人が、僕にはいる。。。本当に大切な宝物だ。。
本当に多くの思い出とともに。。。
この楽しい高校時代に、三つの大きな事件を経験した章大はさまざまな「耐性」の無い大人へと育っていくのである。
少し俯瞰して記してきたこの小説も、主人公目線に物語を戻してみよう。。
続く
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