これはただの自慢話
朝の5時
飼い猫1のしわがれた声で目が覚める。
胸の上が重い。
猫はそこから鳴いていた。
まだ起きる時間ではないが、
鳴き続けるので、撫でてやる。
「おはよう。今日も元気だね。」
ふるるふるる、との喉を鳴らす。
しばらく撫でると満足したのか、自分のベッドに戻り
ふみふみと毛布を踏みだした。
やれやれ、と寝なおすために胎児の姿勢になると、
背中からまたしわがれた声で呼ばれる。
仕方がないので、胸の上に乗れるように
上向きに寝なおす。
乗る。撫でられる。ふるる。立ち去る。ふみふみ。
乗る。撫でられる…
この流れが5回ほど繰り返された後、
カラカラと給餌器から出てくるエサの音を聞きつけ、
猫は、私の胸を強く蹴って駆け出して行った。
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