記憶を繋げて、残していくこと
先日、樹木希林さんが亡くなった。今年に入ってから芸能人のみならず、昔から知っている方々の訃報が相次いでいるような気がして、2018年は僕にとって少し悲しい年になってきた。
そんな折、今年の4月に亡くなった広告時代の師匠とも呼べる人の身内が集まって、生前の活躍を振り返るというイベントを行った。
皆それぞれが故人と深く関わっていた仕事や印象深いエピソードを紹介していくというものだ。
主に先輩や同期、そして友人が集まり、およそ40人。入社、独立、そして最後まで、リレーでバトンを渡すように故人の思い出を語っていくことで、ありありとした一つの人生が浮かび上がっていく。
自分が知らなかったその方の姿を知り、自分の中にある思い出と繋がって、まさに点と点が結ばれて線になる。イベントというよりは、セレモニーという感じだった。
正直、その方が亡くなった時に初めて「死」という重みを知った。もう会えないし、会話もできない。チャットすら叶わない。かなり辛いものだった。突然だったのもあって、受け入れたくないという気持ちが強かった。
でもこうしてそれぞれが持つ記憶をつないで、一つの記憶にして、みんなで残していくことで、僕は助けられた感じがする。
お葬式は残された人たちのためのものと言われるように、改めて記憶を繋いで残すという今回のセレモニーの大切さとありがたみを感じた。
集まってくれた皆さんに感謝して、その方に恥じぬよう、また進んでいきたいと思う。
いただいたサポートはゆっくり物事を考えるための時間(コーヒー代など)に使わせていただきます。